NGINXがQUIC+HTTP/3対応のテクニカルプレビューを発表
軽量なWebサーバのNGINXが、QUICとHTTP/3に対応するテクニカルプレビューを発表しました。
Introducing a Technology Preview of #NGINX Support for #QUIC and #HTTP3 https://t.co/BEFSH96Emy pic.twitter.com/cxHB8e4C9x
— nginx web server (@nginxorg) June 10, 2020
Nginxのブログに投稿された記事「Introducing a Technology Preview of NGINX Support for QUIC and HTTP/3」から引用します。
We are pleased to announce the technology preview of QUIC+HTTP/3 for NGINX at a special open source repository. This is pre‑release software, based on the IETF QUIC draft and is maintained in a development branch, isolated from the stable and mainline branches.
NGINXのQUIC+HTTP/3対応テクノロジープレビューをここに発表します。特別なオープンソースリポジトリに置いてあります。これはIETF QUICのドラフトを基にしたプレリリース版であり、安定版とメインラインのブランチから分離されたデベロップメントブランチでメンテされています。
NGINXのQUIC+HTTP/3対応には、Cloudflareのquiche projectによるパッチが存在していますが、今回発表されたテクニカルプレビュー版はそれとは関係なく、NGINXチームによって新たに開発されたものと説明されています。
「HTTP/3」は現在IETFで策定中の次世代プロトコルです。より高速なWebを実現するために、現在のHTTPのトランスポートプロトコルとして採用されているTCPではなく、より軽量で高速なUDPをベースにした新たなトランスポートプロトコルである「QUIC」を採用します。
HTTP/3対応は必然的にQUIC対応を伴うため、今回のNGINXでもQUIC+HTTP/3対応となっているわけです。
参考:「HTTP/3」がHTTP-over-QUICの新名称に。IETFのQUICワーキンググループとHTTPワーキンググループで合意
すでにFastlyやCloudflareなどのCDNベンダはHTTP/3への対応を進めており、またFastlyの奥一穂氏らが開発を進めているオープンソースのWebサーバ「H2O」もHTTP/3の対応を進めているなど、徐々にHTTP/3対応が活発化してきました。NGINXの今回の発表は、そうしたHTTP/3への期待をさらに広げるものといえるでしょう。
関連記事
- 「HTTP/3」がHTTP-over-QUICの新名称に。IETFのQUICワーキンググループとHTTPワーキンググループで合意
- QUICの実装はTCP並みの効率を実現できるか? Fastly奥氏らがベンチマークを紹介
2021年5月、QUICがRFC 9000としてインターネット標準となりました。
あわせて読みたい
AWSがソフトウェアパッケージのリポジトリサービス「AWS CodeArtifact」正式リリース。npmやMavenなどのパッケージを共有可能
≪前の記事
Amazon S3のデータを直接検索できる「MongoDB Atlas Data Lake」正式リリース。データベースへの転送不要、MongoDBのクエリ言語を直接実行