[速報]マイクロソフト「.NET 5」正式リリース。1つのフレームワークでWindows/Mac/Linuxのデスクトップ、サーバアプリ、Webアプリなどが開発可能に
マイクロソフトは、アプリケーションフレームワークの最新版となる「.NET 5」正式版のリリースを発表しました。
.NET 5は「.NET Framework」と「.NET Core」フレームワークを統合し、その後継となるオープンソースのフレームワークです。
これにより長いあいだマイクロソフトのもっとも重要かつプロプライエタリなフレームワークだった「.NET Framework」が、その地位を正式にオープンソースの「.NET 5」へ譲ることになります。
Announcing .NET 5.0 https://t.co/dwjJTZA399
— .NET (@dotnet) November 10, 2020
.NET 5はWindows、macOS、Linuxの各OSに対応し、x86、x64、Armのプロセッサに対応。デスクトップアプリケーションとサーバアプリケーション、Webアプリケーションのいずれも開発可能です。
新機能として、ライブラリに依存しない単一の実行ファイルの生成や、より小さなコンテナイメージの生成などの改良が加えられています。
さらにLinuxにおけるソケット通信、JSONのシリアライゼーション、gRPCの性能向上などもはかられています。
C# 9.0、F# 5.0などの言語の新バージョン対応に加え、C#でWebアプリケーションを開発できるBlazorも.NET 5ベースとなりました。
.NET 5に対応した「Visual Studio 2019 16.8」も正式リリース。
Azure App Serviceも.NET 5に対応し、すぐに.NET 5アプリケーションを試せます。
Xamarinとの統合完了は1年後の.NET 6で
マイクロソフトが2019年5月にはじめて「.NET 5」を発表したときには、Windows向けの「.NET Framework」、当初はおもにサーバアプリケーション向けとして登場したオープンソースの「.NET Core」、そしてモバイル向けの「Xamarin」の3つのフレームワークを統合し、マイクロソフトにとって唯一のフレームワークになる予定でした。
参考:[速報]オープンソースの「.NET 5」がすべての.NETを引き継ぐ。.NET Frameworkと.NET CoreとXamarinは「.NET 5」に。Microsoft Build 2019
しかしこの「One .NET」ビジョンは、世界的な新型コロナの感染拡大によって.NET 5への移行に時間がかかる顧客への影響などを鑑み、実現が少し延期されることになりました。
今回リリースされた.NET 5ではXamarinとの完全な統合は見送られ、1年後にリリース予定の「.NET 6.0」でXamarinとの統合が行われることになったのです。
.NET 6においてXamarinとの統合が行われれば、この唯一のフレームワークによってWindows、Mac、Linuxに対応したデスクトップアプリケーションとサーバアプリケーションに加え、iOSやAndroidなどのモバイルデバイスもカバーされることになります。
予定ではその時点で、単一コードでマルチプラットフォームのユーザーインターフェイスにも対応する「.NET Multi-platform App UI」(.NET MAUI)も統合される予定です。
今後1年ごとに.NET 6、.NET 7とメジャーアップデートが予定されており、.NET 6で長期サポート(LTS)が提供される予定です。
その後2年ごとの偶数バージョンがLTSとして登場予定となっています。
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