「MariaDB Platform X4」正式リリース。OLTPとOLAP統合をさらに発展、Amazon S3などのオブジェクトストレージにカラム型データベースを保存

2020年1月23日

MariaDB社は「MariaDB Platform X4」正式版のリリースを発表しました。OLTPとOLAPを統合した「スマートトランザクション」の実現や、カラム型データベースをAmazon S3などのオブジェクトストレージに保存するなどの新機能が追加されています。

MariaDBは2010年にMySQLのフォークとして登場し、その後OLTPにフォーカスした「MariaDB TX」と、MySQLからフォークしたInfiniDBの技術を基にしたストレージエンジンを用い、カラム型データベースとしてOLAPにフォーカスした「MariaDB AX」を提供。前バージョンの「MariaDB Platform X3」で、この2つを1つの製品に統合しました。

今回リリースされた「MariaDB Platform X4」ではOLTPとOLAPの統合をさらに発展させ、同社が「スマートトランザクション」と呼ぶ新機能を実現しています。

スマートトランザクションとは、OLTP処理と同時にOLAP処理を組み合わて実行し、トランザクションと同時に分析結果を得ることを指しています。例えば、支払処理をトランザクション処理しつつ、支払処理を行うアカウントの過去の取引履歴を基に、この支払処理が正常な取引とされる95%範囲内に入っているかどうかを分析する処理などがスマートトランザクションだと同社は説明します。

またMariaDBではOLTPのストレージエンジンは以前からプラガブルになっており、InnoDBやMyRocksなど選択可能でしたが、今回のリリースからOLAPのカラム型データベースエンジンについてもプラガブルになったと説明されています。

「MariaDB Platform X4」のもう1つの新機能は、カラム型データベースをAmazon S3、Azure Blob Storage、Google Cloud Storageなどのオブジェクトストレージに保存可能になったことです。これによりOLAP処理の対象になる大規模なデータを、ブロックストレージよりもスケーラブルで堅牢かつ安価なオブジェクトストレージに保存できるようになりました。

この機能はオンプレミスにおいてもApache MinIO、Red Hat Ceph Storage、Western Digital ActiveScaleなどのオブジェクトストレージに対して利用可能になっています。

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