Linux技術者認定資格の「LinuC」がクラウド時代の技術者向けに刷新。仮想マシン、オープンソース文化、コンテナなども出題範囲に
特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)は、Linux技術者認定資格の「LinuC」の内容を全面的に見直した「LinuC Version 10.0」の認定試験を4月1日から行うと発表しました。
LinuCはLinux技術者を認定するための資格試験として、これまでは単体の物理サーバ上でLinuxをインストール、設定、運用することを基本的な出題範囲としていました。
一方で、現在ではユーザー企業においても事業価値向上への知見を持つLinux技術者が求められるようになり、また、Linuxの利用環境においても仮想環境やパブリッククラウドが一般的になってきていることから、これまでのLinuCの内容を全面的に見直し、いま現場で本当に求められているLinux技術者の認定資格を目指したとしています。
そのためLinuCのバージョンも一足飛びに二桁の10.0にしたとのことです。
「クラウドの時代を切り開くすべてのIT技術者に取得していただきたい認定資格」(鈴木敦夫理事長)
新たな出題範囲は「50名ほどの現場で活躍しているエンジニアがボランティアで集まり、ディスカッションをして出題範囲や方向性を作った。こういうものなら素晴らしい試験になると思った」(LPI-Japan理事 日本電気株式会社 菅沼公夫氏)と、多くの現役エンジニアが協力して決定に関わり、決められたことも明かされました。
例えば、クラウドでLinuxを利用する上での前提知識となる仮想マシンやコンテナについての知識、いまやシステム構築に欠かせないさまざまなオープンソースを活用するうえで知っておきたいオープンソース文化について、現実の運用において欠かせないアーキテクチャを理解するための知識などが追加されています。
仮想化やコンテナといった出題範囲の変更以外にも、メールサーバはSendmailではなくPostfixに変更され、AnsibleやZabbixといった構成や運用の現場で利用が広がってきたツールも対象となる一方、あまり使われなくなったX11については詳細な機能については問わないようにするなど、対象となるコマンドやツールについても現状に合わせてアップデートされています。
国内ではLinux認定資格としてLinuC以外にも、LPI日本支部が提供するLPICがあります。LPI-Japanの鈴木敦夫理事長はLPICとの差別化を問われると、「LinuCとLPICの試験範囲を比べていただければ、どちらがよりいまの時代に即していて役に立つ認定か、みなさんに判断してもらいたい」と答え、刷新されたLinuCが現場で役立つ資格になったことに自信をにじませました。
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