Kubernetesを分散ストレージのプラットフォームにする「Rook」、成熟したソフトウェアに到達したとしてCNCFがインキュベーションからの卒業を発表
Kubernetesなどのソフトウェア開発をホストしている団体「Cloud Native Computing Foundation」(CNCF)は、Kubernetesを分散ストレージのプラットフォームにする「Rook」が、十分に成熟したソフトウェアに到達したとして、インキュベーション段階からの卒業を発表しました。
[NEWS] @CloudNativeFdn Announces @rook_io Graduation https://t.co/47DmD0LK2x pic.twitter.com/zsk7YQiQ57
— CNCF (@CloudNativeFdn) October 7, 2020
RookはKubernetesにさまざまな分散ストレージを統合できるようにするソフトウェアです。Rookを用いることで、Kubernetesは分散アプリケーションの基盤としてだけでなく、分散ストレージのプラットフォームとしても機能し、Kubernetesの持つ自己修復機能やオートスケール機能などの利点を取り入れつつ、ノードを追加していくことで分散ストレージの容量や性能を向上させていくような仕組みも実現できるようになっています。
Rookが最初に実現したのは、Kubernetesと分散ストレージ「Ceph」との統合でした。Cephはファイルストレージの機能、ブロックストレージの機能、そしてAmazon Web ServicesのS3互換オブジェクトストレージ機能などを提供し、これがKuberenetsを基盤に実装できるようになりました。
現在ではRookはCephだけでなく、Cassandra、CockroachDB、YugabyteDB、NFSなどもサポートするようになっています。
Rook自身は2019年の3月にバージョン1.0に到達し、安定版の域に入っていますが、今回CNCFからインキュベーションを卒業したとの発表でソフトウェアの成熟がさらに示されたことになります。
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