Kubernetesに最適化されたNoSQLデータベース「K8ssandra」が登場。Cassandra開発元のDataStaxがオープンソースで公開
代表的なNoSQLデータベースとして知られるApache CassandraをKubernetesに最適化した「K8ssandra」(海外の複数の記事によると発音はケェイサンドラ:Kay-sandraの模様)を、Cassandraの開発元であるDataStaxがオープンソースとして公開しました。
Meet K8ssandra! As a #Kubernetes #Helm chart, #K8ssandra deploys all things @Cassandra and gives #DBAs and #SREs elastic scale for data on Kubernetes. Check it out at https://t.co/G5jaGJfJtO @KubeCon_ pic.twitter.com/X2jUp1WeoB
— DataStax (@DataStax) November 18, 2020
Cassandraは分散データベースとして複数のノード構成により運用される、キーバリュー型のNoSQLデータベースです。
ノードを追加していくことで自動的に性能と規模が向上する高度なスケーラビリティを備え、複数のノードが協調することで自律的なロードバランス機能を実現。
単一障害点を持たず、複数のノードから構成されるクラスタを複数のデータセンターをまたいで分散させることのできるマルチデータセンター機能などにより、高い可用性も備えています。
CassandraはeBayやInstagramなどのバックエンドにも採用されるなど代表的なNoSQLデータベースの1つであり、最近ではAWSがマネージドなサーバレスデータベースとしてCassandraを提供する「Amazon Keyspaces for Apache Cassandra」を5月に発表したばかりです。
一方で、Cassandraの最初のバージョンが発表されたのが2010年頃と、いまのようなクラウド基盤やコンテナ環境が充実する前であったことから、コンテナやKubernetesを基盤とするモダンな分散環境への対応が望まれていました。
それに応えて登場したのがK8ssandraです。
Kubernetesに最適化したCassandra
K8ssandraは、もともとDataStaxがCassandraをクラウドネイティブ環境に対応させ、マネージドサービスとして提供していた「DataStax Astra」を基に、オープンソース化したものです。
Kubernetesに最適化され、Helmによって簡単にKubernetes上にデプロイ可能。自動スケールや自律的な復旧機能、自動バックアップ機能などをKubernetesのOperator機能によって実現しています。
Kubernetesが分散環境基盤の事実上の標準になるとすれば、これからKubernetesに最適化された分散データベースもさまざまな実装が登場してくることでしょう。
オリジナルのCassandraがNoSQLにおける分散データベースの代表的な実装としてこの分野を切り開いてきたように、K8ssandraもKubernetes上の分散データベースの先進的実装として今後注目されていくのではないでしょうか。
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