軽量でインストールも簡単なシングルバイナリのKubernetesディストリビューション「k0s」、Mirantisがオープンソースでリリース。LinuxとWindowsに対応
米Mirantisは、軽量かつシングルバイナリで、インストールや運用も簡単なKubernetesのディストリビューション「k0s」をオープンソースとしてリリースしました。
新しい Kuberentes distro, #k0s が OSSで公開されました!
— Mirantis Japan (@Mirantis_JP) November 13, 2020
軽量、ワンバイナリ、Intel/ARM対応、アップデートも簡単! チェックしてみてください!https://t.co/B4gBUPWau2
対応するOSはLinuxとWindows(今後リリース予定)。プロセッサはIntelとARMに対応します。
軽量かつ簡単に導入できて運用も容易
k0sは、「100% upstream vanila Kubernetes distro」(100%純正で色付けのないKubernetesディストリビューション)であり、kとsのあいだのゼロは、k0sのさまざまな以下の特徴を示していると説明されています。
- Zero Friction:なめらかに導入できる
- Zero Dependencies:OSに依存せずシングルバイナリで提供
- Zero Overhead:余計なオーバーヘッドなく軽量に動作する
- Zero Cost:無料のオープンソースで提供
- Zero Downtime:クラスタのアップグレードなどはダウンタイムなく自動処理
特に導入から起動までの容易さは強調されており、誰でも特別なスキルなしに簡単にKubernetesを始められるとしています。下記がLinuxにおける起動の様子です。
$ #Download, install, and start a k0s server
$ curl -sSfL k0s.sh | sh
$ k0s server
$ #Create and add a worker node
$ k0s token create --role=worker
$ k0s worker <TOKEN>
$ #Or quickly try it out in a Docker container anywhere
$ docker run -d --hostname controller --privileged -v
/var/lib/k0s -p 6443:6443 k0sproject/k0s
Kubernetes市場に本格参入するMirantis
MirantisはもともとOpenStack専業のシステムインテグレーターでしたが、2019年にDocker社からエンタープライズ向けのDockerコンテナ関製品群を買収し、本格的にエンタープライズ向けのDockerコンテナ関連ビジネスに参入しました。
今年、2020年8月にはKubernetesのビジュアルな統合運用管理ツール「Lens」の買収も発表し、Kubernetes関連製品も強化。
今回発表された「k0s」も、Lensの開発チームが以前から提供していたKubernetesディストリビューション「Kontana Pharos」の後継となるものです。
そのため、Lensとk0sを組み合わせることによって、Kubernetesの管理運用をビジュアルに行えるようになるとも説明されています。
Mirantisは今回、Lensの機能拡張もあわせて発表しました。MirantisのKubernetes市場への本格参入が始まってきたといえるでしょう。
ちなみに、似たようなコンセプトで「k3s」と呼ばれるKubernetesの軽量ディストリビューションをRancher Labsが2019年にリリースしていますが(現在CNCFのサンドボックスプロジェクトにも採用)、k0sとの直接の関係はないはずです……。
あわせて読みたい
AWS、ビジュアルなデータクレンジングツール「AWS Glue DataBrew」発表。大規模データの整理を迅速に実現
≪前の記事
業務アプリを自動生成、クラウドで即実行。サーバサイドのスクリプトで機能拡張も自在なローコード/ノーコード開発ツール登場「Wagby 10」[PR]