Kubernetes 1.18リリース。NUMAサーバでの最適化、ポッドのデバッグの容易化など
オープンソースとして開発されているコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」の最新版「Kubernetes 1.18」正式版がリリースされました。
Check out #Kubernetes 1.18 - the first release of 2020 consisting of 38 enhancements https://t.co/nAX4q2OeUz pic.twitter.com/4AlnJu1gw8
— Kubernetes (@kubernetesio) March 26, 2020
今回のKubernetes 1.18では、サーバの物理構成を考慮したリソース配置を行う「Topology Manager」が新機能としてベータ版で投入されています。
これまでKubernetesにおけるリソースの配置にはCPUリソースの配置を担当するCPUマネージャと、仮想デバイスなどの配置を担当するDevice Managerがそれぞれ存在していました。このとき、複数のCPUを搭載したマルチソケットのNUMAサーバにおいては、CPUマネージャが割り当てたリソースに対して、同じCPUソケットによる仮想デバイス(SR-IOVなど)を割り当てるのが最も性能を発揮できますが、CPUマネージャとデバイスマネージャは相互に連係しないため、つねにこうした最適化が行われる保証はありませんでした。
そこでTopology Managerによってリソースの割り当てを統合し、NUMAサーバにおいても最適なリソース配置を実現するようになりました。
前バージョンのKubernetes 1.17では、ノード間の通信などを行う際に同一じラック内や同一障害リージョンなどを意識することで、効率の良いルーティングを実現する「Topology aware routing of services」が新機能としてアルファ版で投入されています。
このようにKubernetesは少しずつ物理構成を考慮した上で最適な論理構成を実現する方向で進化しています。
そのほかKubernetes 1.18では、HTTPレイヤのロードバランサーとなるIngressの拡張、クラスタ内のポッドのデバッグを容易にするkubectl alpha debugコマンド、CSI(Container Storage Interface) Proxy for Windowsのリリースなども追加されています。
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