GoogleもRPAに参入か。ノーコードでプロセスオートメーションを実現する「AppSheet Automation」を含む「Business Application Platform」を発表
Googleは、企業がクラウド上で簡単かつ迅速にビジネスアプリケーションを実現するためのプラットフォーム「Business Application Platform」を発表しました。
Business Application Platformはおもに、Google CloudのサービスをAPI経由で利用しやすくする「API Gateway」、ノーコード開発ツールのAppSheetのデータソースを拡張する「Apigee data source for AppSheet」、そしてAppSheetの新機能としてノーコードでプロセスオートメーションを実現する「AppSheet Automation」の3つから構成されます。
To navigate digital transformation, build resilience & accelerate innovation, we’re excited to share our Business Application Platform vision—encompassing API management, no-code app development, automation & data insights capabilities ↓ #GoogleCloudNext https://t.co/RmBzA0Vnso
— Google Cloud (@googlecloud) September 8, 2020
Google CloudをAPI経由で容易に再利用
「API Gateway」は、Google Compute Engine、Google Kubernetes Engine、Google Cloud Functions、Google Cloud Runなどを用い、Google Cloud上でユーザーが構築したサービスやアプリケーションに対して、統一したAPIのエンドポイントを設定するためのサービスです。
これにより、プログラマがクラウド上で開発したロジックやデータソースを、APIを通じて容易にアプリケーションから呼び出して利用できるようになります。
ノーコードツールのデータソースを豊富に
AppSheetは、2020年1月にGoogleが買収したノーコード開発ツールです。Google SpredsheetやExcelのようなスプレッドシート、MySQLやSQL Server、PostgreSQL、AWS DynamoDBなどのデータベース、Salesforceなどをデータソースとし、簡単なGUI操作でWebブラウザやスマートフォン、タブレットに対応した業務アプリケーションを生成できます。
最大の特徴は、AppSheetがデータソースのフィールド名などを基にアプリケーションの種類などを機械学習により推測し、こんなアプリケーションがよいのではないか? というユーザーインターフェイスやプロトタイプアプリケーションが自動生成されるというもの。
機械学習のアドバイスなどを参考にプロトタイプをカスタマイズしていけば、アプリケーションができてしまいます。
参考:Googleはなぜノーコード開発ツールのAppSheetを買収し、1年半前に正式版になったばかりのApp Makerを終了させるのか?
「Apigee data source for AppSheet」は、このAppSheetで利用できるデータソースを柔軟に拡大する機能を提供します。下記は「Accelerate digital transformation with business application platform」からの引用です。
By enabling employees to build apps that leverage Apigee APIs and require no coding, enterprises can both empower line-of-business employees without technical experience to create innovative apps and reduce traditional IT backlog.
従業員がApigee APIを活用しノーコードでアプリケーションを開発できるようにすることで、技術的な経験のない現場の従業員であっても革新的なアプリケーション開発が可能になり、従来のIT部門のバックログを減らすことができます。
ノーコードでプロセスオートメーションを構築
「AppSheet Automation」は、ノーコード開発ツールのAppSheetの新機能で、コードを書かずにプロセスオートメーションを実現するというもの。
まだアーリーアクセスの段階のため、機能の詳細は明らかにされていませんが、以下の説明を読むかぎり、人間が手作業で行っていた作業などを自動化する、いわゆる「RPA」(Robot Process Automation)に分類されるもののようです。
Powered by Google Cloud’s AI products and now available for early access, AppSheet Automation serves this need by helping businesses build and run automations faster, without having to write code.
Google CloudのAI製品を搭載し、今回アーリーアクセス版として提供するAppSheet Automationは、コードを書くことなく、迅速にオートメーションを構築、実行できるようにすることで、ビジネスのニーズに応えます。
It is easily governed, ensuring data security across the entire organization, and can address a vast array of use cases, including human-centric processes, application integration, and document-based processes.
これは管理が容易で、組織全体のデータセキュリティを確保しつつ、人間が行っていたプロセス、アプリケーション統合、文書ベースのプロセスなど、さまざまなユースケースに対応することができます。
これらはいずれも、職業プログラマではなく、業務の現場で働く一般の従業員などがビジネスの効率化や自動化を行うためのツール、あるいはそれを補助するためのプラットフォームといえます。
今年1月のAppSheetの買収でもそうだったように、Googleは明確に、非プログラマあるいは「シチズンデベロッパー」と呼ばれる新しい層に向けて、G SuiteやAppSheet、Google Cloudなどを訴求しようとしています。
それが今回発表された「Business Application Platform」と言え、今後もGoogleはこの分野でのさらなる強化を進めていくことでしょう。
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