GitHub/GitLabとの統合用WebIDE「Gitpod」がオープンソースで公開。GitHub Codespacesを先取りする開発環境
GitHubやGitLabなどと統合可能なWebIDE「Gitpod」の開発元であるTypefoxは、Gitpodをオープンソースとして公開したことを明らかにしました。
We have big news: Gitpod is now open source!
— Gitpod (@gitpod) August 25, 2020
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これまでGitpodは有償サービスとして提供されてきており(1カ月あたり50時間までは無料)、今後も有償サービスは継続して提供されますが、オープンソースを基にユーザーが自らサーバを用意して利用する場合には無料で制限なく利用できることになります。
GitHubの画面からWebIDEのGitpodを起動可能
Gitpodはその名前が示すとおり、GitHubやGitLab、BitbucketなどのGitをベースとしたソースコード管理ツールと統合されたユーザー体験を実現できるWebIDEです。
GitHubを例に取ると、GitPodのURLに続けてGitHubのURLを入力するか、
もしくはWebブラウザの拡張機能を用いて自動的にGitHubの画面にGitPodのボタンを追加することで、GitHubの画面から直接ソースコードをGitpodで開いて開発を行うことができるようになります。
Gitpodのベースとなっているのは、オープンソースのWebIDEである「Eclipse Theia」です。TheiaはEclipse Foundationが「Visual Studio Codeの代替を狙う統合開発環境」として開発しており、今年の4月にバージョン1.0に到達したばかり。
参考:Visual Studio Codeの代替を狙う統合開発環境「Eclipse Theia 1.0」リリース。VS Codeの拡張機能を利用可能、デスクトップ版とWebブラウザ版に両対応
下記はGitpodの画面ですが、Visual Studio Codeにそっくりです。
画面が似ているだけでなく、コード補完や文法チェックを実現するオープンな標準であるLanguage Server Protocolに対応するなど機能も同様のものを備えており、さらに拡張機能も互換性があるとされています。
ただし「Visual Studio Marketplace」は、マイクロソフトの利用規約によってVisual Studio製品以外によるバイナリのダウンロードとインストールを禁止しているため、Eclipse FoundationはオープンなVisual Studio Code拡張機能のマーケットプレイス「Open VSX Registry」を提供しています。
こうしてみると、Gitpodは今年の5月にGitHubが発表した「GitHub Codespaces」で実現しようとしていることを先取りしてきたといえるかもしれません。あるいは、GitHub CodespacesがGitpodのコンセプトを、本家Visual Studio Codeで実現しようとしていると見ることもできるでしょうか。
参考:GitHub、WebIDEの「Codespaces」を発表。GitHubからワンクリックで開発環境へ。GitHub Satellite 2020
いずれにせよGitHub Codespacesはまだ正式サービスインされていません。GitHub/GitLab/Bitbucketと統合されたWebIDEを、いちはやく体験したい、あるいはセルフホスティングで制限を気にすることなく使いたいというケースではGitpodを試す価値がありそうです。
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