Docker Hubの無料プランにおける利用制限、オープンソースのプロジェクトは適用外にするとDocker社が発表
Docker Hubの無料プランにおける利用制限措置が始まっていますが、Docker社はオープンソースのプロジェクトに対してはこの制限措置を行わないことを明らかにしました。
Docker has created a special program for Open Source projects to get continued free access and freedom from restrictions for their communities and their users. Read more https://t.co/91TEbbZUt3 #opensource #Docker #Containers #Community pic.twitter.com/3VoHCWv2bB
— Docker (@Docker) November 2, 2020
Docker社はDocker Hubを無料プランで利用しているユーザーのリポジトリに対して、次のような制限をかけることを明らかにしています。
- アノニマスユーザーからのプルは6時間で100回まで
- 認証済みユーザーからのプルは6時間に200回まで
この制限措置はすでに11月2日から段階的に開始されていますが、オープンソースプロジェクトにはこれを適用しないと、同日付けで同社のブログに投稿された記事「Expanded Support for Open Source Software Projects」で次のように説明しました。
For the approved, non-commercial, open source projects, we are thrilled to announce that we will suspend data pull rate restrictions, where no egress restrictions will apply to any Docker users pulling images from the approved OSS namespaces.
承認された非商用のオープンソースプロジェクトに関しては、プル回数の制限措置を行わないことを発表します。すなわち、承認されたオープンソースの名前空間からイメージを取得する場合、どのようなユーザーであっても制限を受けないことになります。
対象となるのは以下の条件に合致するオープンソースのプロジェクトです。
- Be public and non-commercial
- Meet the Open Source Initiative (OSI) definition (shown here), including definitions for free distribution, source code, derived works, integrity of source code, licensing and no tolerance for discrimination
- Distribute images under OSI approved open source license
- Produce Docker images used to run applications
非商用で公開され、Open Source Initiativeのオープンソースの定義に合致し、そのアプリケーションを実行するためのDockerイメージが生成されていること、などが条件となります。
承認を受けるためにはDocker社へ申し込み、同社によるレビューが行われるとのこと。また12カ月ごとに再レビューも行われます。
それ以外にもDocker社はオープンソースプロジェクトに対してブログやウェビナー、ソリューション紹介などのジョイントプロモーションプログラムも提供なども用意しているとのことです。
Docker社は開発者向けのツールベンダーとして自社のポジションを確立しようとしています。そのなかでDocker Hubは開発者のコミュニティおよびエコシステムの基盤となるサービスとして引き続き現在のデファクトスタンダード的な地位を譲るわけにはいきません。
主要なオープンソースのプロジェクトをDocker Hubに利用してもらい、リファレンスとなるDockerコンテナイメージがDocker Hubにありつづけることは、そのために重要な要素と考えられます。
参考:Docker社が新戦略を明らかに。Docker Desktopの拡張によってコンテナ開発を容易に、Docker Hubを開発エコシステムの中核にすると
今回発表されたオープンソース向けの措置は、その外見以上に同社にとって重要なものではないかと思われます。
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