Dockerコンテナを本番環境で使用している国内企業は14.2%。「年内にキャズムを超えることは確実」と、IDC Japan
IDC JapanはDockerなどのコンテナ仮想化技術とコンテナオーケストレーションツールのKubernetesの導入状況に関する調査結果を発表しました。調査を実施したのは2020年2月。国内の企業および組織458社に対するアンケート調査です。
調査結果によると、コンテナを本番環境で使用している企業は14.2%となり、2019年調査から5.0ポイント上昇しました。また、コンテナを知らないという回答が大きく減少し、コンテナが市場全体で認知されたとも言えます。
最も使われてるオーケストレーションツールはコミュニティ版Kubernetes
コンテナを本番環境で使用している企業と、導入構築/テスト/検証段階にある企業を対象に、コンテナオーケストレーションツールについて調査した結果(複数回答)、54.7%の企業がKubernetes(コミュニティ版)を使用しているとの回答がありました。こちらも、2019年調査の45.5%から大きく上昇しています。
その次に多く使用されているコンテナオーケストレーションツールは、Red Hat OpenShift Container Platformで24.0%(2019年調査は19.8%)となりました。
コンテナの導入促進要因については、「開発者の生産性の向上」が25.3%で最も多く、次いで「アプリケーション運用の効率化(24.7%)」、3番目は「アプリケーションのポータビリティの向上(23.3%)」でした。
コンテナを本番環境で使用している企業が大幅に増えた理由として、CaaS(Container as a Service)などのコンテナ向けクラウドサービスや、ベンダーとSIerのコンテナ導入支援の充実化が挙げられています。
IDC Japanのソフトウェア&セキュリティ グループマネージャーである入谷光浩氏は「企業におけるコンテナの導入はキャズム超えが目前である」とし、「年内にはキャズムを超えることは確実であり、国内市場は本格的なコンテナの普及期に突入していくことになる」と述べています。
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