継続的デリバリを実現するツールは何がおすすめ?「CNCF Technology Radar」が公開
Kubernetesなどの開発をホストし、クラウドネイティブを推進する団体「Cloud Native Computing Foundation」(CNCF)は、クラウドネイティブ関連のテクノロジーやツール、サービスなどの評価を示した「CNCF Technology Radar」を発表しました。
CNCFではオープンソースによるさまざまなクラウドネイティブ関連ツールの開発をホストするだけでなく、クラウドネイティブなテクノロジーを活用し議論する立場のエンドユーザー企業もメンバーとして所属しています。
CNCF Technology Radarは、このエンドユーザー企業メンバーに対してアンケートを行い、その結果を基にテクノロジーやツール、サービスなどの評価をまとめたものです。
評価は「Adopt」「Trial」「Assess」「Hold」に分かれています。
「Adopt」はエンドユーザー企業も活用しうまくいっており、明確に推奨できるもの。「Trial」は、エンドユーザー企業に利用されており、注目することが推奨されるもの。「Assess」は、試用されたことがあり、特定の目的に合致する場合には検討が推奨されるもの。「Hold」は、決して悪い技術やツールではないものの利用には留意すべきもの、といった内容になります。
これらの評価を各エンドユーザー企業が技術やツールごとに行い、最終的にそれをCNCFの編集者が総合的に見て特定の評価へと落とし込みます。
今回、2020年6月版として公開されたのは、「Continuous Delivery」(継続的デリバリ)に関するテクノロジーレーダーです。
Continuous Deliveryの分野で「Adopt」として明確に導入が推奨されたのは、「Flux」と「Helm」です。
FluxはKubernetesをベースにGitOpsを行うための機能拡張用オペレーター。HelmはKubernetes対応のパッケージマネージャです。これらは広く利用されており、推奨に反対する声もまったくなかったとのこと。
「Trial」の評価となったCircleCI、Kustomize、GitLabについては、複数企業からの推奨があったものの総合的にAdoptとするには十分な数ではなく、また推奨に反対する声もわずかにあったとのことでした。
CNCF Technology Radarは今後も四半期ごとに分野を変えて発表を行っていく予定だとのこと。
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