AWS、Linux対応の.NET Coreへ、Windows用.NET Frameworkアプリの移植支援ツール「Porting Assistant for .NET」発表

2020年7月8日

Amazon Web Services(AWS)は、.NET Frameworkを用いて開発されたアプリケーションを、.NET Coreを用いたアプリケーションへ移植するための支援ツール「Porting Assistant for .NET」を発表しました。

fig

.NET FrameworkはWindowsアプリケーションを開発するためのWindows専用フレームワークおよびランタイムとしてマイクロソフトが提供してきたものです。

しかしマイクロソフトは2015年に.NET FrameworkのサブセットとしてWindows、Mac、Linuxに対応したオープンソースの.NET Coreを発表。

2019年には.NET Coreが.NET Frameworkを引き継ぐとして.NET Coreへの開発に注力し、.NET Framworkは現バージョンである4.8以後、新機能の開発は行われなくなることが発表されました。

参考:[速報]オープンソースの「.NET 5」がすべての.NETを引き継ぐ。.NET Frameworkと.NET CoreとXamarinは「.NET 5」に。Microsoft Build 2019

.NET CoreはWindows、Mac、Linuxに対応するため、特にサーバアプリケーションに関しては.NET Coreで開発されたアプリケーションはWindowsだけでなくMac、Linuxで容易に実行可能でしょう。

一方、.NET FrameworkはWindows専用のフレームワークおよびランタイムであり、これを用いて開発されたアプリケーションはWindows専用アプリケーションとなります。

Windows対応からLinux対応へ移植を支援

今回AWSが発表した「Porting Assistant for .NET」は、このWindows専用の.NET Frameworkで開発されたアプリケーションを解析し、LinuxやMacにも対応する.NET Coreへの移植を支援してくれるツールです。

どのように機能するかは、AWSブログの記事「Porting Assistant for .NET を発表」で、次のように説明されています。

Porting Assistant for .NET は、アプリケーションのソースコードとパブリック API と NuGet パッケージの依存関係の完全なツリーの両方を評価して、.NET Core と互換性のないものを特定し、互換性のあるものが代わりに利用できる場合にはデベロッパーにその旨を提示します。API とパッケージ置換の提案エンジンは、不足しているパッケージと API の使用パターンと頻度についてアシスタントが学習するにつれて、経時的に改善するように設計されています。

図で示すと以下のようになります。製品ページ「Porting Assistant for .NET - Amazon Web Services」の図を記事幅に合わせて一部改変して掲載します。

fig

Porting Assistant for .NETは機械学習を用いて提案を行っているとのことで、すでに何十万ものパッケージを分析し学習したモデルが使われているものの、今後利用者が分析結果を共有をオプトインすることで、さらに学習し改善された結果を出せるようになるとのことです。

あわせて読みたい

.NET AWS プログラミング言語




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本