AWS、「Java 8」を2026年まで、「Java 11」は2027年まで、現行より3年サポート期間延長を発表。独自JavaディストリビューションのCorretto 8とCorretto 11で
Amazon Web Services(AWS)は、同社が無償で提供しているJavaディストリビューション「Amazon Corretto」の長期サポート期間を延長すると発表しました。
Java 8に相当する「Amazon Corretto 8」は2023年6月までだったのが2026年5月までに延長、Java 11に相当する「Amazon Corretto 11」は2024年8月までだったのが2027年9月までにサポート期間が延長されます。
ユーザーはこの日まで無償でAWSからセキュリティパッチなどを受け取ることができます。
New #AWSLaunches!
— Amazon Web Services (@awscloud) August 20, 2020
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Amazon Corretto 8 & 11 support extended
Amazon Connect allows contact-centers to auto-resolve to the best voicehttps://t.co/e2hgN59uye pic.twitter.com/BrmsFINWnx
参考までに、Corretto以外のJavaディストリビューションのサポート期間を見てみると、無償で提供されるJavaディストリビューションの代表的な存在であるOracle OpenJDKでは長期サポートが提供されていないため、セキュリティパッチの提供を受け続けるには6カ月ごとに登場するメジャーバージョンアップに追随していく必要があります。
一方、長期サポートが無償で提供される「AdoptOpenJDK」では、Java 8のサポートは少なくとも2026年5月末まで、Java 11は少なくとも2024年10月までとなっています。
また、Microsoft Azureでの利用に限り、無償で長期サポートが提供されるAzulのZulu Enterpriseでは、Java 8が2030年12月まで、Java 11が2027年9月までサポートが提供されます。
あくまで推測ですが、これらを見ると今回のCorrettoのサポート期間延長は、Java 8についてはAdoptOpenJDKに合わせ、Java 11については競合であるAzureでのJavaのサポート期間に合わせたのかもしれません。
ただし、AdoptOpenJDKのサポート期間から推測するに、Java 8についてはCorretto 8のサポート期間終了までJavaコミュニティからセキュリティパッチが提供され、Correttoもそれを利用可能ではないかと思われますが、Java 11についてはCorretto 11のサポート期間である2027年9月までセキュリティパッチがJavaコミュニティから提供されることは確定していないようにも思えます。
もしかしたら、AWSはJavaコミュニティからセキュリティパッチが提供されなくとも、自力で提供する覚悟を決めて2027年までという期限を決めたのかもしれません(このあたりの情報をお持ちの方がいらっしゃったら教えてください)。
(2020/8/31 13:50 追記:OpenJDK全般のセキュリティパッチはOpenJDK Vulnerability Groupでオラクルを始めベンダー間で情報共有しており、そこにAWSも入っているため、AWSによるパッチ作成はそうしたコミュニティの恩恵を受けているだろう、との情報をいただきました)
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