Appleの子会社Clarisが新サービス「Claris Connect」正式リリース。クラウド上のノーコード開発ツール、サービス連携やワークフローを構築
Appleの子会社Clarisは、ノーコード開発ツールの「Claris Connect」を正式サービスとしてリリースしたことを発表しました。
Claris Connectは、SalesforceやSlack、Google Driveなどのさまざまなクラウドサービスやオンプレミスの業務アプリケーションをプログラミングせず、いわゆるノーコード開発で連携、ワークフローを構築することができる、ノーコード開発ツール。
Claris Connect自身もクラウドサービスとして提供されているため、さまざまなサービスやアプリケーションを統合し連係させることから「iPaaS」(Integration Platform as a Service)の一種ともいえます。
例えば、アンケート作成サービスの「Typeform」で顧客からの入力があったら、メールアドレスを自動的にメーリングリストサービスの「MailChimp」に登録する、あるいは、電子署名サービスの「DocuSign」で顧客から契約書のサインをもらったら、セールスパイプライン管理サービスの「PipeDrive」で商談成立とし、ファイルストレージサービスの「box」に契約書ファイルを保管、チャットサービスの「Slack」で、関係者に商談成立を伝える、といった自動的に動作するワークフローを構築できます。
Claris Connectは、さまざまなクラウドサービスやオンプレミス用ソフトウェアに対する「コネクタ」、WebHookや実行スケジュール、計算、データ転送などの動作を行う「ユーティリティ」などをコンポーネントとし、コンポーネントをフローチャートのように、アクションや条件分岐を設定しつつ、実行順に並べていくことでワークフローを構築していきます。
マイクロソフトやGoogleらが製品を投入するノーコード開発ツール
ノーコード開発ツールは、マイクロソフトが2016年から「PowerApps」を展開し、さらに2019年にはRPA機能を搭載した「Power Automate」を展開しています。
また、GoogleもApp Makerを発表したものの人気がないと判断すると、新たにAppSheetを買収。ノーコードツール展開の手をゆるめていません。
数年前からノーコード開発やiPaaSは今後の成長分野と期待されており、大手からスタートアップまでさまざまなベンダが製品やサービスを投入し始め、レッドオーシャンになりつつあります。
Claris Connectは、2019年8月に同社名をFileMakerからClarisへ変更した際に買収を発表した「Stamplay」がベースになっています。
同社が20年ぶりに社名をClarisへと戻した背景には、Stamplayを買収しClaris Connectを展開するにあたり、レッドオーシャン化が予想されるノーコード市場においてFileMakerという製品と同名では戦いにくい、という考えがあったのかもしれません。
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