Angular 9正式版リリース。高速かつ軽量なレンダリングエンジン「Ivy」がデフォルトに
Webアプリケーションフレームワーク「Angular」の最新版となる「Angular 9」が正式にリリースされました。
Version 9 of #Angular is here! Read all about the improvements in v9: https://t.co/Gjw9S89TQz
— Angular (@angular) February 6, 2020
Angularは2017年4月に登場したAngular 4から、半年ごとにメジャーバージョンアップが行われることになっています。そのためAngular 9は2019年6月にリリースされたAngular 8の半年後となる2019年12月頃にリリースされるはずでしたが、2カ月遅れの今月、2020年2月リリースとなりました。
高速かつ軽量なレンダリングエンジン「Ivy」がデフォルトに
Angular 9最大の新機能は、高速かつ軽量なレンダリングエンジンの「Ivy」がデフォルトとして採用されたことです。
Angularのレンダリングエンジンとは、Angularで書かれたアプリケーション内のコンポーネントやテンプレートをコンパイルし、DOMに展開してWebブラウザで表示できるようにする、というものです。
Ivyは従来のレンダリングエンジンと互換性を保ちつつ、軽量かつ高速でシンプルな新しいレンダリングエンジンとして2018年5月に行われた「ng-conf 2018」で発表されました。
そして前バージョンであるAngular 8で実験的機能として搭載されてブラッシュアップが進められ、今回のAngular 9でデフォルトのレンダリングエンジンとなったのです。
Ivyではコンパイル時間の短縮、バンドルサイズの縮小、タイプチェックの改善などをはじめとする多くの改善点があります。
コンパイル時間の短縮では、プレーンなTypeScriptコンパイラに対応したAngularコンパイラのオーバーヘッドが、Ivyによって0.8倍から0.5倍程度に縮小。これによってビルドにかかる時間が大きく短縮されます。
また、Ivyコンパイラが採用したTree Shaking手法によって、不要なパーツはバンドルに含めないような仕組みを持つことで、生成されるバンドルのサイズも縮小されます。
タイプチェックも強化され、これまでコンパイル時にチェックされてこなかったテンプレートのタイプチェックも「fullTemplateTypeCheck」フラグなどによってチェックできるようになりました。
そのほか、 internationalization (i18n)の改善によるビルドの高速化、ビルド時エラーの改善、高速なテストの実現、よりよいデバッグの実現など、Angular 9では多くの新機能が追加されています。
あわせて読みたい
Apple、パスワードを不要にするFIDO Allianceへの加盟が明らかに
≪前の記事
マイクロソフト、新しいEdgeでDevToolsの日本語化実現。Chromiumのソースコードにもコントリビュート