AdoptOpenJDKプロジェクトがEclipse Foundationへの合流を発表。合流後の新プロジェクト名は「Eclipse Adoptium」に
無償のOpenJDKディストリビューションを提供している団体「AdoptOpenJDK」プロジェクトは、Eclipse Foundationに合流することを発表しました。
We have some very exciting news to share with you today... AdoptOpenJDK is joining the @EclipseFdn https://t.co/bjYEOtW4vR #AdoptOpenJDK #announcement #EclipseFoundation #OpenJDK #Java
— AdoptOpenJDK (@adoptopenjdk) June 19, 2020
AdoptOpenJDKプロジェクトは、Red Hat、IBM、Microsoft Azure、AWS、Pivotalなどをはじめとする多くの企業がスポンサーとなり、OpenJDKをビルドし配布しています。
特にオラクルがJava 11以降、Oracle JDKでの無償長期サポートを提供しなくなってからは、無償で長期サポートが提供されるOpenJDKディストリビューションの1つとして、またベンダーニュートラルなOpenJDKディストリビューションとして存在感が高まっていました。
これまでAdoptOpenJDKプロジェクトはLondon Java Community CICが中心となって運用されてきましたが、「AdoptOpenJDK to join the Eclipse Foundation」から下記の引用で示されるように、AdoptOpenJDKをさらに発展させるうえでLondon Java Community CICでは手に負えなくなってきているのがEclipse Foundationへの合流理由だと説明されています。
In every open source project’s life comes a time to take the necessary steps to enshrine its independence and longevity in a proven cultural and legal framework. A project of AdoptOpenJDK’s size and scale also needs an awful lot of logistical support, and the cracks in some places are starting to show!
どのオープンソースプロジェクトもその過程で、独立性や継続性を示すための文化的かつ法的な枠組みを必要とする段階がやってきます。AdoptOpenJDKプロジェクトにおける規模や広がりにおいても多くの後方支援が求められていますが、その不備がすでに見え始めているのです。
Eclipse Foundationは、もともとIBMが開発したEclipseがオープンソース化された際に、その開発をホストする独立団体として2004年に設立されました。統合開発環境のEclipseやJakarta EE(旧Java EE)など、Javaエコシステムの一端を担うオープンソースソフトウェアの開発などもしているため、AdoptOpenJDKプロジェクトが合流するのにふさわしいといえるでしょう。
「Eclipse Adoptium」が新プロジェクト名に
AdoptOpenJDKプロジェクトはEclipseへの合流後にプロジェクト名を変更することも明らかにしました。新プロジェクト名は「AdoptOpenJDK」とラテン語の接尾辞「-ium」を組み合わせた「Eclipse Adoptium」になる予定です。
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