マイクロソフト、RPA機能を搭載した「Power Automate」を4月2日にワールドワイドでリリース。AIでスキャンした請求書も認識
マイクロソフトは、これまでプレビュー機能として提供してきたRPA機能「UI Flows」を正式版として搭載した「Power Automate」を4月2日にワールドワイドでリリースすることを明らかにしました。
Power Automateは2019年11月に行われたイベント「Microsoft Ignite 2019」で発表されたサービスです。これまでMicrosoft Flowと呼ばれていた自動化ツールを改名し、RPA機能を追加したもの。
もともとMicrosoft Flowは、IFTTT的なサービス連係サービスとして、GitHub、Dropbox、Slack、メール、Twillio、Googleカレンダーなど多数のサービスを連係する機能を備え、2016年にリリースされました。
Power Automateでも300以上のクラウドサービスやアプリケーションとの接続、連係が可能です。例えば、顧客からのメールの問い合わせをトリガーにして、通知をSlackで行い、内容をDropboxに文書として保存、顧客情報をSalesforceと関連付けるといった、サービスやアプリケーションを自動的に連係動作させるワークフローを、フローチャートを作るような操作で実現します。
AIによるスキャンデータの認識も可能
こうしたサービス連携は、連携先のそれぞれのサービスやアプリケーションのAPIを通じて行われます。
しかし、社内で開発された業務アプリケーションや何年も前に開発されたような、APIを持たず、人間が画面を操作することでデータの入出力を行うことが前提となっているアプリケーションでは、APIを通じた連係は不可能です。
そこで、こうしたAPIを持たないアプリケーションに対して、まるで人間がアプリケーションを操作するように、ソフトウェアのロボットがアプリケーションを操作することで、システム間の連携や操作の自動化などを実現するのがRPA(Robot Process Automation)機能です。
Power Automateでは、「UI Flows」がこのRPA機能を提供します。
UI Flowsでは、人間のマウス操作やキーボード操作、入力内容などを記録、ロボットがその記録を基に指定されたアプリケーション操作を自動的に行うことで、まるでそのアプリケーションに対してAPI経由でデータを入出力しているように振る舞わせられます。
しかも「AI Builder」によるAI機能によって、紙の請求書のスキャンデータやフォームの認識、画面内オブジェクトの認識などもユーザーが学習させることが可能です。
RPA機能は、ユーザーのPC上で個別に実行する「Attended RPA」と、サーバ上で大量のソフトウェアロボットを展開できる「Unattended RPA」の2つが用意されています。
ノーコード開発ツールへの注目が高まる
ノーコードでのサービス連係サービスは、Clarisが「Claris Connect」をリリースしたばかりです。
GoogleもAppSheetを買収し、ノーコード開発ツールへの取り組みを続けています。
RPA機能を搭載したPower Automateのリリースは、こうしたノーコードツール市場への注目をさらに高めそうです。
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2021年3月、Power Automate DesktopをWindows 10向けに無料で提供することを発表しました。
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