マイクロソフト、RPA機能を搭載した「Power Automate」を4月2日にワールドワイドでリリース。AIでスキャンした請求書も認識

2020年3月5日

マイクロソフトは、これまでプレビュー機能として提供してきたRPA機能「UI Flows」を正式版として搭載した「Power Automate」を4月2日にワールドワイドでリリースすることを明らかにしました

fig Power Automateはノーコードでサービス連携を構築、実行できる

Power Automateは2019年11月に行われたイベント「Microsoft Ignite 2019」で発表されたサービスです。これまでMicrosoft Flowと呼ばれていた自動化ツールを改名し、RPA機能を追加したもの。

もともとMicrosoft Flowは、IFTTT的なサービス連係サービスとして、GitHub、Dropbox、Slack、メール、Twillio、Googleカレンダーなど多数のサービスを連係する機能を備え、2016年にリリースされました。

Power Automateでも300以上のクラウドサービスやアプリケーションとの接続、連係が可能です。例えば、顧客からのメールの問い合わせをトリガーにして、通知をSlackで行い、内容をDropboxに文書として保存、顧客情報をSalesforceと関連付けるといった、サービスやアプリケーションを自動的に連係動作させるワークフローを、フローチャートを作るような操作で実現します。

AIによるスキャンデータの認識も可能

こうしたサービス連携は、連携先のそれぞれのサービスやアプリケーションのAPIを通じて行われます。

しかし、社内で開発された業務アプリケーションや何年も前に開発されたような、APIを持たず、人間が画面を操作することでデータの入出力を行うことが前提となっているアプリケーションでは、APIを通じた連係は不可能です。

そこで、こうしたAPIを持たないアプリケーションに対して、まるで人間がアプリケーションを操作するように、ソフトウェアのロボットがアプリケーションを操作することで、システム間の連携や操作の自動化などを実現するのがRPA(Robot Process Automation)機能です。

Power Automateでは、「UI Flows」がこのRPA機能を提供します。

UI Flowsでは、人間のマウス操作やキーボード操作、入力内容などを記録、ロボットがその記録を基に指定されたアプリケーション操作を自動的に行うことで、まるでそのアプリケーションに対してAPI経由でデータを入出力しているように振る舞わせられます。

fig UF Flowsで人間の操作を記録しているところ

しかも「AI Builder」によるAI機能によって、紙の請求書のスキャンデータやフォームの認識、画面内オブジェクトの認識などもユーザーが学習させることが可能です。

RPA機能は、ユーザーのPC上で個別に実行する「Attended RPA」と、サーバ上で大量のソフトウェアロボットを展開できる「Unattended RPA」の2つが用意されています。

ノーコード開発ツールへの注目が高まる

ノーコードでのサービス連係サービスは、Clarisが「Claris Connect」をリリースしたばかりです。

GoogleもAppSheetを買収し、ノーコード開発ツールへの取り組みを続けています。

RPA機能を搭載したPower Automateのリリースは、こうしたノーコードツール市場への注目をさらに高めそうです。

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2019年11月、マイクロソフトはPower AutomateにRPA機能を統合したPower Automate Desktopを発表。

2021年3月、Power Automate DesktopをWindows 10向けに無料で提供することを発表しました。

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