永久凍土層地下250メートルでソースコードを保存するGitHubのプロジェクト、無事に保管が開始されたことを発表
GitHubは、ノルウェーにあるスヴァールバル諸島の永久凍土層の地下250メートルに設けられた施設「Arctic World Archive」でオープンソースソフトウェアのソースコードを1000年以上にわたって保存するプロジェクトにおいて、無事に「Arctic World Archive」へコードの保管が行われたことを明らかにしました。
We’ve completed the deposit of all public repositories in the GitHub Arctic Code Vault to preserve open source software for generations to come.https://t.co/e9SjPTcUyB
— GitHub (@github) July 16, 2020
オープンソースは現在の文明の基盤であり人類の共有財産であるとして、GitHubが「GitHub Archive Program」を発表したのは、2019年11月のことでした。
このGitHub Archive Programでは、さまざまな手法でオープンソースのソースコードをアーカイブし、保存することになっていましたが、そのなかで、最も長期にわたってソースコードを保管することになっていたのが「Arctic World Archive」でした。
北極圏の非武装地帯にある永久凍土地下で保管
Arctic World Archiveは、ノルウェーにあるスヴァールバル諸島の永久凍土層の地下250メートルに設けられた施設です。運営は、ノルウェー政府が保有する採掘企業のSNSKと、長期データ保管ストレージを提供するPiql ASが共同で行っています。
スヴァールバル諸島はノルウェー領でありながら国際条約であるスヴァールバル条約によって独自の法制度や行政機構を持つ国際的な非武装地帯であり、極地科学研究の世界的な拠点でもあります。
ここに、2020年2月2日時点でのGitHubにおけるすべてのアクティブなパブリックリポジトリや、そのほか重要なリポジトリのスナップショットを作成、リポジトリごとにTarファイルにまとめ、それを二次元コードへ変換しそれを長期保存可能なフィルムに焼き付けたものを保存するわけです。
当初はもっと早い時期に保管が開始される予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的流行の影響により時間がかかってしまい、いまになってしまったとのことでした。
そして保存されたコードにコントリビュートした開発者には、下記のような通知も行われたそうです。
私の知人にも、こうした通知を受け取った方が何人かいました。ご自身が関わったコードが、自分が死んだあとの1000年後もほぼ確実に存在する、というのは少しうらやましい気がします。
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2022年9月にこのプロジェクトがバージョン1.0に到達したことが発表されました。
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