ガートナー「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表。ソーシャルディスタンス技術、説明可能なAI、などが過度な期待

2020年8月24日

米調査会社のガートナーは、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表しました

ガートナーのハイプサイクルは、技術の登場から安定までを5つのステージに分けて説明したものです。5つのステージは、「黎明期」から始まり、「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓蒙活動期」「生産性の安定期」まで。この途中で消えていく技術もあります。

2020年版では1700を超えるテクノロジを分析した上で30の先進テクノロジが提示されています。

fig 出典:ガートナー(2020年8月)

ハイプサイクルの左からいくつか注目したいテクノロジを見ていくと、黎明期には「エッジにおける低コストのシングルボードコンピュータ」「双方向ブレイン・マシン・インターフェイス」「責任あるAI」「コンポーザブルエンタープライズ」などが並んでいます。

特にここには、機械学習やAI関連のテクノロジー群がひしめいているのが特長でしょう。

ハイプサイクルの「『過度な期待』のピーク期」には、「組み込み型AI」「ソーシャルディスタンディングテクノロジ」「説明可能なAI」などが並んでいます。特にソーシャルディスタンスのための技術群はまさに、突如として注目され期待が過熱しているといえそうです。

「幻滅期」にはカーボンナノチューブなどで注目されていた「カーボンベースノトランジスタ」、「個人所有アイデンティティ」(Bring Your Own Identity)などが並んでいます。

5つの先進テクノロジ・トレンド

ガートナーはハイプサイクルにあわせて「5つの先進テクノロジ・トレンド」を発表しています。ポイントを引用しましょう。

デジタル・ミー
ソーシャルディスタンスのための技術群や、自身が健康であることを示す「ヘルスパスポート」など、人をデジタルで表現する新たな機会が生まれています。デジタル世界における人々のやりとりは、キーボードや画面越しにとどまらず、音声や視線やジェスチャ、さらにはダイレクトに脳へと広がっていくとのこと。

コンポジット・アーキテクチャ
より迅速な企業活動を実現するために、パッケージ化されたビジネス機能や柔軟なデータファブリックなど、企業のための組み立て可能なアーキテクチャとそのコンポーネント群が注目されると。

フォーマティブAI
アプリケーション開発者やUXデザイナーが新しいソリューションを開発するために、AIを活用した開発ツールを用いることが増えていくだろうと。

アルゴリズムによる信頼
人やモノのプライバシーや安全性をより確実なものにするため、責任と権限に基づく信頼モデルは、アルゴリズムによる信頼モデルに置き換わられようとしています。

シリコンの先へ
ムーアの法則は40年以上にわたりIT業界の指針となってきましたが、技術がシリコンの物理的限界に近づくにつれて、新たな先端素材がブレイクスルーになろうとしています。

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Junichi Niino(jniino)
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