VMware、GPUやFPGAの仮想化機能をvSphereに統合へ、「Bitfusion」買収を発表
VMwareに代表される仮想化ハイパーバイザの登場は、おもにプロセッサを仮想的なものとして扱えるようにし、任意の能力を備えた仮想サーバを柔軟に作り出すことを実現しました。
これは物理的なサーバの利用効率の向上に大きく寄与しただけでなく、その延長線上にはクラウドのような新たなコンピューターの消費モデルも登場しました。
仮想化の技術はストレージやネットワークに対しても行われるようになり、その結果、ストレージやネットワークにおいても容量や帯域など柔軟に指定して利用できるようになりました。
そして現在、GPUやFPGAに対しても仮想化技術が適用されるようになってきています。
VMwareはGPUやFPGA、ASICといったプロセッサの仮想化ソフトウェアベンダである「Bitfusion」の買収を発表しました。
#BreakingNews: VMware to Acquire Bitfusion – read the announcement here: https://t.co/KHyNOHGn8l
— VMware News (@vmwarenews) 2019年7月18日
Bitfusionは、GPUやFPGA、ASICなどを仮想化し、まるで仮想マシンにストレージをアタッチするように、仮想マシンに適切な能力の仮想GPUや仮想FPGAなどをアタッチ可能にするソフトウェアです。
これにより任意の仮想マシンに対して適切なGPUやFPGAの能力を持たせることができ、AIや機械学習などの処理に対してGPUやFPGAを効率的に利用できるようになります。
VMwareはBitfusionの買収が完了次第、同社のソフトウェアをVMware vSphereに統合することを明らかにしています。
これにより、VMwareテクノロジーをベースとした仮想化プラットフォームおよびクラウドは、仮想マシンに対して仮想化GPUや仮想化FPGAなどを柔軟にアタッチできるサービスを提供できるようになるはずです。
今後、機械学習やAIといった処理の重要性はますます高まっていく中で、その処理をCPUよりも圧倒的に高速に処理するGPUやFPGA、ASICといったプロセッサの利用がさらに広まっていくことは間違いありません。
VMwareによるBitfusionの買収は、そうしたプロセッサの多様化に対応するためのものといえます。
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2020年6月に正式リリースが発表されました。
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