自由に再配布可能なRed Hat Enterprise Linux 8ベースのコンテナ用OSイメージ「Red Hat Universal Base Image」が公開
Red Hatは、Red Hat Enterprise Linuxをベースにしつつ自由に再配布可能なコンテナ用OSイメージ「Red hat Universal Base Image」の公開を発表しました。
Dockerコンテナが普及することで、コンテナにアプリケーションを組み込んで配布するケースが増えてきています。このコンテナイメージをできるだけ自由に再配布したいときには、コンテナのベースとなるOSはCentOSのような非商用ライセンスのLinuxディストリビューションが使われがちです。
一方で、企業がLinuxコンテナ内のアプリケーションを本番環境などで利用する場合には、サポートのしっかりした商用のLinuxディストリビューションをコンテナのベースとなるOSとして選択したいという要求もあります。
今回発表されたRed hat Universal Base Imageは、この両方の要求を満たすものです。つまり、代表的な商用LinuxディストリビューションであるRed Hat Enterprise Linux 8をベースにしつつ、コンテナのベースOSとして自由に再配布可能になっています。
そしてこのコンテナは基本的にどのLinuxベースのコンテナプラットフォームであっても利用可能(下記画像右)である一方、このコンテナをRed Hat Enterprise LinuxやOpenShiftといったRed Hatのコンテナプラットフォーム上で利用した場合には、このRed Hat Universal Base ImageもRed Hatのサポート対象となるため、企業の本番環境などでも安心して利用できるのです(画像左)。
Red Hat Universal Base Imageには、そのコンパクトさによって「Minimal」「Platform」「Multi-Service」の3種類が用意されています。
Minimalは、最小限のプレインストールソフトにSuidバイナリ(特殊なパーミッション属性を持つ管理用コマンド)はなく、パッケージマネージャもインストール、アップデート、リムーブのための最小限のものだけが含まれています。
PlatformはOpenSSLの暗号化スタックとYUMスタックのすべて、そしてtarやgzip、viといった基本的なツールが含まれています。
Multi-Serviceにはコンテナ上で複数のサービスを実行しやすいようにsystemdが起動するようになっており、ビルド時にサービスが有効になります。
また、主要な言語の実行系としてRed Hat Universal Base Image用の.NET、Node.js、PHP、Python、Perlのランタイムも用意されており、いつでもコンテナイメージに加えることができるようになっています。
あわせて読みたい
GraalVM、ついに本番利用可能なバージョン「GraalVM 19.0」登場、JavaやJavaScriptなど多言語対応ランタイム。商用版のGraalVM Enterprise Editionもリリース
≪前の記事
[速報]Google、本日から大阪GCPリージョン正式運用開始を発表。東京に続いて国内2カ所目。日本語による24時間365日のサポートも開始