オープンなプロセッサやハードウェアの開発を促進する「OpenHW」グループ発足。RISC-VベースのSoC対応「CORE-Vファミリー」発表
オープンソースソフトウェアを推進する「Eclipse Foundation」や、オープンなCPUの命令セットを開発する「RISC-V Foundation」などの支援によって、オープンなハードウェアの開発と普及を促進する団体「OpenHW」グループが発足しました。
OpenHWグループの創立者でCEOのRick O’Connor氏は、先月までRISC-V Foundationのエグゼクティブディレクターを務めていた人物。
O’Connor氏はOpenHWグループについて次のように説明しています。
If you design or are looking for open-source processor IP, OpenHW Group is an organization for collaborating with like-minded engineers. If you’re an SoC designer, you don’t have to design from scratch; we will help you accelerate your design process by supplying you with a growing range of proven processor IP options, all available within an expanding, high-quality ecosystem.
もしもあなたがオープンソースのプロセッサのIPの設計をしているか、もしくはそれを探しているのであれば、OpenHWグループはそうした同じ志を持ったエンジニアたちが協力するための組織です。あるいはもしあなたがSoCの設計者であれば、それをなにもないところから設計する必要はありません。私たちは、拡大する高品質なエコシステムのなかから幅広い分野で実績のあるプロセッサIP(知財)の選択肢を提供することで、設計プロセスのスピードアップを支援します。
RISC-VベースのCORE-Vを発表。SoCに対応
OpenHWグループが創立と同時に発表したのが「CORE-V Family」です。
その名前から分かるように、CORE-Vファミリーはオープンな命令セットのRISC-V(リスクファイブ)をベースにSoCに対応したプロセッサコアの設計だと説明されています。
RISC-Vは完全にオープンで自由に使える商業用プロセッサの命令セットアーキテクチャであり、電力効率に優れた、つまり省電力で高性能なプロセッサとして開発されています。
CORE-Vファミリーとは、このRISC-V命令セットに対応したプロセッサコアを製造可能なチップの設計レベルへと落とし込んだものといえます。
we’re introducing the CORE-V family of cores, which supports system-on-chip (SoC) hardware and software designers with a quality and manufacturability assurance when adopting RISC-V processor core IP.
私たちが発表するCORE-Vファミリーは、RISC-VプロセッサコアIPを適用する際に品質や製造可能かどうかが保証されることで、システムオンチップ(SoC)のハードウェアやソフトウェアの設計者を支援するものです。
OpenHWグループは創立と同時に、このCORE-Vファミリーの支援を表明するアリババグループやNXP、Silicon Labsなどをはじめとする13社のスポンサーを獲得しました。
スマートフォンやIoTデバイスなど低消費デバイスの多くではARMプロセッサが使われています。RISC-Vはオープンなプロセッサとしてその市場への進出をまず目指すことになるはずで、CORE-Vファミリーの登場はその実現性が増したことになります。
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