「Nutanix on AWS」、AWS上にNutanixシステムを構築できる新サービス「Xi Clusters」発表。ハイブリッドクラウドの構築が容易に
ハイパーコンバージドシステムなどを提供するNutanixは、米カリフォルニア州アナハイムで開催中のイベント「Nutanix .NEXT 2019」で新サービス「Xi Clusters」を発表しました。
同社は、複数のサーバをソフトウェアで束ねることでスケーラブルな仮想化システム基盤を容易に構築できる「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ」(HCI)のベンダとして成長してきました。
数年前からは、このHCIと連係するディザスタリカバリやシステム管理などのクラウドサービスを「Xi」ブランドのサービスとして提供を開始しています。
今回発表された「Xi Clusters」は、そのクラウドサービスの1つとして新たに発表されたもの。これまでサーバとソフトウェアを組み合わせた物理的なアプライアンスとして提供してきたHCIと実質的に同じものを、AWSが提供するベアメタルサーバとストレージを用いてクラウド上にオンデマンドで構築できます。
同社はこれを「Nutanix on AWS」もしくは「Nutanix in AWS」であると説明しています。
オンプレミスのHCIと同じものがAWS上に用意できるため、分散処理やバックアップ、ディザスタリカバリやクラウドへの移行など、さまざまなシナリオでのハイブリッドクラウドの構築が容易になります。
同社のブログにポストされた記事「Xi Clusters: The True Hybrid」から一部を引用します。
With Xi Clusters, the complete Nutanix HCI stack runs directly on the AWS EC2 bare metal instances. The bare metal runs the AHV hypervisor and just like any on-premises deployment, runs a Controller Virtual Machine (CVM) with direct access to NVMe instance storage hardware.
Xi Clustersでは、完全なNutanix HCIスタックがAmazon EC2のベアメタルインスタンス上で直接実行されます。ベアメタル上ではAHVハイパーバイザがオンプレミスにデプロイされたときと同様に実行され、コントローラ仮想マシン(CVM)(訳注:HCIのためにスケーラブルなストレージを実現するための特別な仮想マシン)はストレージハードウェアのNVMeインスタンスへ直接アクセスします。
Xi Clustersは、同社の管理ツールであるPrismからユーザー自身のAWSアカウントを通じて起動。ユーザーのVPC内などで利用可能なため、ユーザーの既存のAWS上のシステムとの連係も容易です。
さらに大きな特徴としてXi Clustersで構築したAWS上のHCIは実行時の状態をいわゆる「ハイバネート」として停止しAmazon S3へ保存することができ、次に使うときにはすぐに元の状態へレジュームできるため、使わないときにはインスタンスの費用も発生せず、使うときにいちいち新規に起動させることなく、すぐに使い始められるようになっています。
Xi Clustersは今年の夏にテクニカルプレビューがリリースされるとのことです。
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