NTPサーバと同期する「NTPクロック」に無線LAN&電池駆動の新モデルが登場。配線不要で普通の掛け時計のように設置可能
セイコーソリューションズは、NTPサーバから配信される時刻に同期し、オフィスや工場で掛け時計などとして使える「NTPクロック」の新モデルとして、無線LAN対応モデルを発表しました(販売開始は2020年1月の予定)。
現在販売中のモデルはいずれもPoE(Power Over Ethernet)の有線LANに対応しており、ネットワークへの接続と給電をイーサネットケーブル1本で対応できる利便性を備えています。
今回の無線LAN対応モデルでは電池駆動になると発表されているため、配線工事の必要が一切なくなり、一般の時計と同様の手軽さで設置が可能になります。
正確な時刻を表示するための時計としては電波時計が一般的で、多くの電波時計は電池駆動のため容易に設置できます。しかしビルの室内や地下など電波が届かないことも少なくありませんでした。
無線LAN対応で電池駆動のNTPクロック新モデルは、こうした問題を解決するソリューションになります。
また、セイコーは以前から放送局、鉄道、工場や病院など、正確な時刻表示が求められる施設向けに「設備時計」と呼ばれる時計システムを販売しています。設備時計はマスタークロックとなる「親時計」と設備内の多数の時計をRS-422などで接続し、施設内の時計が表示する時刻などを集中的に管理する仕組みを備えています。
NTPクロックは、この設備時計をTCP/IPのネットワーク対応にしたものと位置づけられています。NTPサーバを親時計とし、ネットワーク経由で多数の時計の時刻などを集中管理できます。
NTPサーバも提供
NTPクロックを動作させるにはNTPサーバが必要ですが、同社は時刻ソースとしてGPSやテレホンJJY、長波JJY、FM放送などを利用できるNTPサーバ「Time Server」を提供しています。
現行モデルのNTPクロックはこの「Time Server」をNTPサーバとして利用できるほか、パブリックなNTPサーバを含めたあらゆるNTPサーバとNTPプロトコル経由で接続可能であるため、新モデルも同様の機能が備わることが予想されます(追記:セイコーソリューションズによると新モデルも現行モデル同様の機能をもつ予定とのこと)。
無線LAN対応のNTPクロックは、2020年1月より販売を開始する予定。電池でどのくらいの期間動作するのかなどは明らかにされていませんが、「今後、バッテリー寿命の確保などユーザビリティーの向上に取り組みます」と発表しています。
また同社は6月12日から千葉 幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2019」でこの新モデルを参考出品することも明らかにしています。
関連記事
現行製品は2019年2月に販売開始されました。
あわせて読みたい
Google CloudやYouTubeの障害は「数台のサーバへの設定変更のつもりが、誤って複数リージョンの多数のサーバに適用されてしまった」。Googleが説明
≪前の記事
国内エンタープライズITの市場規模は10兆円を突破、クラウド関連の割合は現在の2割から5年後に5割を超える。IDC Japan