MapRが大規模レイオフの理由を説明。間接販売に切り替えたため営業関連を整理
主要なHadoopディストリビューションの1つを提供している「MapR Technologies」(マップアールテクノロジーズ)が存続の危機にあるのではないか、という記事が海外で報道されています。
- Big-data bombshell: MapR may shut down as investor pulls out after 'extremely poor results' - SiliconANGLE
- Software company MapR, once worth more than $1 billion, to lay off 122 - SFChronicle.com
- Hadoop Pioneer MapR Faces An Uncertain Future - The Next Platform
MapRに対するこうした懸念の発端は、同社が米国の労働法に基づいてWARN(Worker Adjustment and Retraining Notification)と呼ばれる書類を米国労働省に提出。それが公開されたことにあります。
このWARNとは、大規模なレイオフや事業所の閉鎖が行われる場合に企業が事前に提出しなければならない書類です。これによって、突然多くの従業員が仕事を失ってその事業所の地域コミュニティや家族に大きな影響を受ける、といったことが起こらないようにし、従業員やその家族、地域コミュティを守ることを目的にしています。
WARNは受理されるとその内容が公開されます。そのためMapRのレイオフ計画が明らかになり、各報道機関が記事を書いているのです。
MapRが説明、直接販売から間接販売へ切り替えると
MapRは5月31日、こうした報道に対して状況を明らかにする記事「An Update from MapR」を同社のブログで公開しました。
同社はレイオフの理由を、直接販売から間接販売へと販売手法の切り替えに伴うものだと説明しています。
MapR has been implementing a change from a primarily direct to an indirect sales model. We have been recruiting partners for over a year. As part of that change we terminated a number of sales and sales related resources.
MapRは直接販売から間接販売モデルへと切り替えてきました。そのためのパートナー採用も1年以上続けてきています。こうした変化に伴い、多数の営業担当と関連部署を閉鎖したのです。
間接販売モデルにするものの、製品開発やサポートは変わらないとしています。
Product. No staff associated with the continued development of the MapR product has been affected by this organizational change. MapR is as committed to the Product today as it was before we made these go-to-market changes.
製品 MapRの製品開発に関連するスタッフに関しては、今回の組織変更に影響を受けるものはいない。MapRは、こうした市場への取り組みの変化にかかわらず、現在と変わらず製品へコミットしてまいります。
Support. MapR remains able to meet its technical support obligations under the agreements with our customer
サポート MapRは、お客様との契約に基づく技術サポートの義務を引き続き果たしてまいります。
ただしMapRは非公開企業であるため、業績に関する情報は公開しないとしています。
ClouderaやHortonworksは合併を選んだ
MapRは、ClouderaやHortonworksらと並んで主要なHadoopディストリビューションベンダとして知られ、現在に至るビッグデータの盛り上がりを形作ってきた企業の1つでもあります。
しかし今年1月にClouderaとHortonworksが合併しており、3社ともに生き残りを目指した組織の効率化をはかっていることは間違いありません。
営業関連を整理して技術者中心の組織となることは、買収のターゲットとしても適切なものといえます。MapRにとって状況の変化は今回のレイオフにとどまらない可能性があります。
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