Kubernetes 1.17正式版が登場。クラウドプロバイダーを示すラベルが正式版、ボリュームスナップショットがベータ版に
オープンソースとして開発されているコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」の最新版「Kubernetes 1.17」正式版がリリースされました。
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— Kubernetes (@kubernetesio) December 12, 2019
Kubernetes 1.17では、クラウドプロバイダーを示すラベル機能が正式版に、ストレージのボリュームに対するスナップショット機能がベータ版に、トポロジー対応ルーティング機能やIPv4/IPv6デュアルスタックサポートがアルファ版になるなどの改善や新機能追加が行われています。
Kubernetes 1.17で正式版となった「Cloud Provider Labels」は、Kubernetesを主要なパブリッククラウドで実行している場合、そのクラウドの環境に応じたインスタンスタイプ名、ゾーン名、リージョン名などのラベルがノードやボリュームに付加されるという機能です。
これによって、例えばスケジューラが同一ゾーンのノードとボリュームを関連付けることや、複数のノードをできるだけ異なるゾーンやリージョンに分散させる、といったことが可能になります。
ベータ版となったボリュームスナップショット機能は、その名の通りストレージのボリュームに対して、その時点でのスナップショットを作成する機能です。
特にこれはKubernetes上でステートフルなアプリケーション、例えばデータベースなどを運用する場合、スナップショットによってある時点の状態を保存しておきたいときなどに有効です。
スナップショット機能は基本的に多くのクラウドサービスのブロックストレージ、オンプレミスのストレージ機能で提供されていますが、これをKubernetesで抽象化して利用できるようにすることで、Kuberenetesを用いた際の運用管理の効率化につながるとされています。
アルファ版として登場した「Topology aware routing of services」(トポロジー対応ルーティング)は、これも名前から想像される通り、ノード間の通信などを行う際に、同一じラック内や同一障害リージョンなどを意識することで、効率の良いルーティングを実現する機能です。
そのほかKubernetes 1.17の新機能や変更点などは、「Kubernetes 1.17: Stability」をご覧ください。
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