Java EE 8フル互換の「Jakarta EE 8」がEclipse Foundationから正式リリース。これからはクラウドネイティブのためのフレームワークへと進化する
Eclipse Foundationは、Java EE 8フル互換の新しいJavaフレームワーク「Jakarta EE 8」のリリースを発表しました。
エンタープライズ向けアプリケーションのためのJavaフレームワークとして知られている「Java Enterprise Edition」(Java EE)は、2017年9月にその策定主体をオラクルからEclipse Foundationに移管することが発表されました。
それまでJava EEは開発の遅延がコミュニティから指摘されており、Java EEの開発はコミュニティの手に委ねられたわけです。
ただし移管にあたり「Java EE」などのブランド名はオラクルが保有したままであったため、Eclipse FoundationではJava EEに代わる新しいブランド名として2018年3月に「Jakarta EE」を発表します。
そしてEclipse Foundationは、ブランドの変更やライセンスの変更なども含む移管作業をこれまで行ってきたわけです。
今回リリースされたJakarta EE 8は、Eclipse Foundationにとって最初のJakarta EEのリリースとなります。
Jakarta EE 8は、2017年9月にリリースされた最後のJava EEである「Java EE 8」とフル互換であると説明されています。Jakrta EE 8のリリースを発表したEclipse Foundationのブログ「Welcome to the Future of Cloud Native Java | Eclipse Foundation」から引用します。
The Jakarta EE 8 specifications are fully compatible with Java EE 8 specifications and include the same APIs and Javadoc using the same programming model developers have been using for years. The Jakarta EE 8 TCKs are based on and fully compatible with Java EE 8 TCKs. That means enterprise customers will be able to migrate to Jakarta EE 8 without any changes to Java EE 8 applications.
Jakarta EE 8の仕様はJava EE 8の仕様とフル互換であり、デベロッパーが長年用いてきたものと同じプログラミングモデルを用いて同じAPIとJavadocが含まれている。Jakarta EE 8 TCK(Technology Compatibility Kit)はJava EE 8のTCKをベースにし、フル互換である。エンタープライズカスタマはつまり、Java EE 8のアプリケーションを何の変更もなくJakarta EE 8へとマイグレートできることを意味している。
これまでJava EEはエンタープライズ向けの重厚なフレームワークだとみられてきました。しかしJakarta EEは今後、クラウドネイティブなアプリケーションを構築するためのフレームワークへと進化していくとの方向性が示されています。
The community now has an open source baseline that enables the migration of proven Java technologies to a world of containers, microservices, Kubernetes, service mesh, and other cloud native technologies that have been adopted by enterprises over the last few years.
コミュニティには現在、オープンソースの基盤があり、これによって実績のあるJavaテクノロジーを、コンテナ、マイクロサービス、Kubernetes、サービスメッシュ、および過去数年にわたって企業に採用されているその他のクラウドネイティブテクノロジーの世界に移行させていきます。
Jakarta EE 8は、そのための第一歩であると位置づけられるのでしょう。
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