Itaniumプロセッサシリーズ、ついに終了へ。2020年1月に最終受注、2021年7月に最終出荷。インテルが発表
1990年代にハイエンドサーバ向けとして開発されたItaniumプロセッサが、ついに終わりを迎えることになりました。
2017年に登場したItaniumプロセッサの最新版9700シリーズ(コード名:Kittson)の最終受注日と最終出荷日を、インテルが製品ベンダ向けに通知したことが明らかになりました。
通知されたドキュメントによると、 Itaniumプロセッサ9700シリーズを構成する4つの製品、Itanium Prosessor 9720/9740/9750/9760について、最終受注日(Last Product Discontinuance Order Date)が2020年1月30日、最終出荷日(Last Product Discontinuance Shipment Date)が2021年7月29日と記されています。
ItaniumプロセッサはKittson以降のロードマップが示されていないため、事実上これがItaniumプロセッサシリーズの最終受注と最終出荷になります。
Itaniumプロセッサを採用したサーバを提供しているヒューレット・パッカード・エンタープライズは、2017年に登場したKittsonに合わせて新型サーバを提供しています。
同社はこれらの製品について少なくとも2025年までサポートを提供することを明らかにしているため、2021年でItaniumプロセッサ搭載製品が突然なくなってしまうことはありません。しかし、Itaniumプロセッサの最終出荷が決定した以上、Itaniumサーバ製品そのものもいずれ最終出荷を迎えることになるでしょう。
Xeonに64ビットアーキテクチャの主流の座を奪われたItanium
「Itanium」は1990年代後期にインテルとヒューレット・パッカード(当時)が共同で開発を開始した64ビットアーキテクチャのプロセッサです。
2001年に最初の製品が登場しましたが、高い性能を期待されつつも当時普及していたIA32ベースのソフトウェアの性能が十分でないなどの理由から普及せず、あとから登場した64ビット版のXeonプロセッサに、64ビットアーキテクチャのプロセッサの主流の座を奪われます。
そのため当初はItanium用のWindows Serverを提供していたマイクロソフトや、Itanium用のOracle Databaseを提供していたオラクルなどが相次いでItanium用ソフトウェアから撤退。ハードウェアに関しても、現在Itaniumを搭載したサーバを提供しているハードウェアベンダは事実上ヒューレット・パッカード・エンタープライズのみとなっています。
そのヒューレット・パッカード・エンタープライズも、Itaniumプロセッサを搭載した基幹業務向けのハイエンドサーバ「Superdome」シリーズと無停止型サーバ「NonStop」シリーズのどちらも、2014年にXeonプロセッサを搭載した新機種を発表。Itaniumプロセッサへの依存を解消しつつあります。
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