HTML標準仕様の策定についてW3CとWHATWGが合意発表。今後はWHATWGのリビングスタンダードが唯一のHTML標準仕様に

2019年5月29日

W3CとWHATWGは、HTML標準仕様の策定について合意したことを発表しました

いわゆるHTML5と呼ばれるHTMLの最新仕様には、WHATWGが公開しているものとW3Cが公開しているものが併存しており、しかも両者には一部で異なる仕様があったために混乱を招いているところがありました。

今回の合意によりW3CはHTMLとDOMに関する標準策定をやめ、今後はWHATWGが策定するリビングスタンダードがHTMLとDOMの唯一の標準となります。

fig1

両者が合意した主な内容は下記となります。HTMLとDOMのリビングスタンダード、すなわちつねにアップデートされていく標準仕様はWHATWGがメンテナンスをし、W3Cはそれに協力していくこと、W3Cは今後単独でのHTMLとDOMの仕様策定をやめ、WHATWGの標準仕様がW3Cの勧告になることなどが示されています。

  • W3C and WHATWG work together on HTML and DOM, in the WHATWG repositories, to produce a Living Standard and Recommendation/Review Draft-snapshots
  • WHATWG maintains the HTML and DOM Living Standards
  • W3C facilitates community work directly in the WHATWG repositories (bridging communities, developing use cases, filing issues, writing tests, mediating issue resolution)
  • W3C stops independent publishing of a designated list of specifications related to HTML and DOM and instead will work to take WHATWG Review Drafts to W3C Recommendations

詳しい合意内容は5月28日付けの「Memorandum of Understanding Between W3C and WHATWG」で公開されています。

fig2

ここではHTMLとDOMの仕様策定はWHATWGが主体となって行うこと、WHATWGにおける議論の内容はGitHubのリポジトリに反映されること、 WHATWGが公開したHTMLやDOMのリビングスタンダードにおけるレビュードラフトはW3CとWHATWGの両者のロゴを用いたW3Cの勧告候補や勧告となること、W3CはHTML 5.3やDOM 4.1の策定をとりやめることなど、多岐にわたる合意の詳細が示されています。

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