Google、Dockerコンテナをサーバレス化する「Cloud Run」をAnthosに搭載。オンプレミスを含むハイブリッドクラウド環境で実行可能に
Googleは、ハイブリッドクラウド環境を実現するAnthosの新機能として、Dockerコンテナをサーバレスで実行できる「Cloud Run for Anthos」や、サービスメッシュを実現する「Anthos Service Mesh」などを発表しました。
Cloud Runをパブリッククラウドだけでなくオンプレミスでも
Anthosとは、Kubernetesをクラウド基盤の抽象化レイヤとして用いることで、コンテナ化したアプリケーションをオンプレミスとクラウドのどちらでも実行可能にする、ハイブリッドクラウドおよびマルチクラウドのためのプラットフォームです。
Google CloudやGoogleが認証したオンプレミス用のサーバ構成だけでなく、AWSのKubernetes環境でもAnthosを稼働させることで、マルチクラウドも構築できるとしています。
どこにデプロイされたAnthosであってもGoogle Cloudによってマネージドサービスとして運営されるため、利用者はAnthosの運用などの手間をほとんど気にする必要がありません。
Anthosは、今年の4月にGoogle Cloud Next '19で発表されたばかりです。
参考:[速報]Google、新サービス「Anthos」公開。Kubernetesをベースにオンプレミスやマルチクラウドを実現するプラットフォーム。Google Cloud Next '19
Anthos Cloud Runは、このAnthosのうえでDockerコンテナをサーバレス環境で実行できる「Cloud Run」機能を提供します。これもマネージドサービスで提供されます。
Cloud RunはHTTP対応でステートレスなサービスを提供するコンテナを、サーバレス環境で実行可能。すなわち、負荷がない場合にはサービスはまったく起動されず、負荷に応じて自動的にスケール。課金もおよそ100ミリ秒ごとに起動しているサービス数などによって計算されます。
Dockerコンテナであれば、どんな言語で作られたサービスであっても関係なく利用できるなど、非常に柔軟なサーバレス対応アプリケーションを実現できます。
Cloud Runも今年の4月に行われたGoogle Cloud Next '19で発表されました。
参考:Google、Dockerコンテナをサーバレスで実行できる新サービス「Cloud Run」パブリックベータで公開。Knativeベースの互換性実現。Google Cloud Next '19
Anthos Cloud Runを用いることで、オンプレミスのAnthos環境上で開発したDockerコンテナのサーバレスアプリケーションを、本番ではパブリッククラウドのAnthos環境でスケーラブルに実行する、といったことが可能になります。
Anthos Service Mesh
Googleはまた、Anthosのうえでサービスメッシュを提供する「Anthos Service Mesh」も新機能として発表しました。
サービスメッシュ(Service Mesh)とは、分散アプリケーションを構成するサービスごとの通信を管理することで、通信の暗号化やトラフィックのロードバランシング、通信の認証と認可、ログ管理などのさまざまな機能を提供するというもの。
サービスメッシュによってこれらの機能がどの分散アプリケーションに対しても標準的に提供されることによって、分散アプリケーション側でいちいち通信の暗号化やログの統合といった機能を実装する必要がなくなるため、分散アプリケーションの開発効率の向上や運用管理の統合などを可能にします。
Anthos Service Meshでもこうしたサービスメッシュ機能を提供することで、分散アプリケーションの状態の把握などを実現しています。
もともとAnthosの前身である「Google Cloud Services Platform」の発表時からサービスメッシュ機能の提供を表明していたため、その予定が実現したといえます。
Cloud Run for Anthos、Anthos Service Meshのいずれもベータ版として提供されます。
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