「GNU Bash 5.0」リリース、10年ぶりのメジャーバージョンアップ
BashはLinuxやUnixでもっとも広く使われているシェル、あるいはコマンド言語の1つです。多くのLinuxディストリビューションをはじめmacOS、Windows 10のLinux互換機能であるWindows Subsystem for LinuxなどではBashが標準のシェルとして設定されています。
GNUプロジェクトは、そのBash(Bourne Again Shell)の最新バージョンとなるBash 5.0のリリースをメーリングリストで発表しました。
Bash 4.0のリリースは2009年2月のことでしたから、約10年ぶりのメジャーバージョンアップ。2016年9月に登場したBash 4.4からは約2年4カ月ぶりとなります。
バグフィクスと新機能
Bash 5.0の大きな変更点は、おもに bash 4.4で発見された大きなバグの修正といくつかの新機能の追加だと説明されています。
メーリングリストに投稿された内容から、ポイントをいくつか引用します。
1つ目はバグフィクスについて。
The most significant bug fixes are an overhaul of how nameref variables resolve and a number of potential out-of-bounds memory errors discovered via fuzzing.
もっとも重要なバグフィクスは、nameref変数の解決方法の見直しおよびファジングで発見された領域外メモリエラーの対応だ。
おもな新機能はシェル変数とのこと。
The most notable new features are several new shell variables: BASH_ARGV0,EPOCHSECONDS, and EPOCHREALTIME.
注目すべき新機能としては、BASH_ARGV0、EPOCHSECONDS、EPOCHREALTIMEなどのいくつかの新しいシェル変数だ。
bash 4.4とのあいだには、多少の非互換性があるようです。
There are a few incompatible changes between bash-4.4 and bash-5.0. The changes to how nameref variables are resolved means that some uses of namerefs will behave differently, though I have tried to minimize the compatibility issues.
bash-4.4とbash-5.0のあいだにはいくつかの非互換性がある。それはnameref変数の解決方法であり、非互換性を最小化しようとしたものの、いくつかのnameref変数の振る舞いが異なるようになってしまった。
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