GitHub、オープンソースのコードを1000年以上にわたって保存する「GitHub Archive Program」発表。北極圏の非武装地帯永久凍土層地下250mに保管庫を設置
GitHubは、オープンソースは現在の文明の基盤であり人類の共有財産であるとして、このコードを次世代の人類に確実に残していくための「GitHub Archive Program」を発表しました。
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「GitHub Archive Program」は、スタンフォード大学図書館やオックスフォード大学ボドリアン図書館、一万年時計で知られるロングナウ協会、Internete ArchiveやSoftware Heritage財団、GHTorrent、Microsoft Researchなど、さまざまな団体がパートナーとして協力しています。
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コードの保存はもっとも更新頻度の高いホットなレイヤから、定期的なアーカイブが行われるウォームレイヤ、そして長期的な保存が行われるコールドレイヤまで複数のレイヤにわたって行われます。
もっともホットなレイヤはGitHubのリポジトリそのものであり、GHtorrent、GH Archive、Internet Archiveと徐々に保存期間が伸びるウォームレイヤへと連なっていきます。
そしてもっとも長期的なコールドレイヤの1つが、「Arctic World Archive」です。
北極圏の非武装地帯にある永久凍土地下250mに保管
Arctic World Archiveは、ノルウェーにあるスヴァールバル諸島の永久凍土層の地下250メートルに設けられた施設です。運営は、ノルウェー政府が保有する採掘企業のSNSKと、長期データ保管ストレージを提供するPiql ASが共同で行っています。
スヴァールバル諸島はノルウェー領でありながら国際条約であるスヴァールバル条約によって独自の法制度や行政機構を持つ国際的な非武装地帯であり、極地科学研究の世界的な拠点でもあります。
Arctic World Archiveにはすでにイタリアやバチカン、ブラジル、ノルウェイなど多くの政府の依頼を受けて重要な歴史や文化に関する情報を保管しており、GitHubのオープンソースのコードもここに設置された保管庫に保存されます。
具体的には2020年2月2日時点でのGitHubにおけるすべてのアクティブなパブリックリポジトリや、そのほか重要なリポジトリのスナップショットを作成、リポジトリごとにTarファイルにまとめ、QRコードへ変換。データが容易に復元できるように、人間が読める形で索引や手引き追加するとのことです。
GitHubのパブリックリポジトリにおいたコードが1000年以上保存されるというのは、オープンソースプロジェクトに対する強力な誘引策になるのではないでしょうか。
以下は公開された動画から。
北極圏にあるスヴァールバル。
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このArctic World ArchiveにGitHubのコード保管庫を設置。
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データはQRコードにエンコードされ、フィルムに記録。
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フィルムが保管庫に保存される。
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2020年2月2日時点でのアクティブなパブリックリポジトリなどが対象。
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Deep within an Arctic mountain in Svalbard, Norway your open source code can be stored for generations to come in the GitHub Arctic Code Vault.
— GitHub (@github) November 13, 2019
Get your code in by 02/02/2020. #GitHubUniverse pic.twitter.com/7pTP73vza0
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2022年9月にこのプロジェクトがバージョン1.0に到達したことが発表されました。
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