Fastly、WebAssemblyランタイムのサーバレス「Compute@Edge」ベータ公開

2019年11月11日

CDNベンダのFastlyは、WebAssemblyを用いたサーバレス基盤を同社のエッジデータセンターに置いた「Compute@Edge」をプライベートベータとして公開したと発表しました

同社は「Lucet」と呼ばれるWebAssemblyのコンパイラやランタイムをオープンソースで開発していることを昨年から明らかにしていました

WebAssemblyとは、Webブラウザ上でネイティブコードに近い実行速度で高速に実行できるバイナリフォーマット。LucetはこれをWebブラウザから切り離し、汎用のWebAssemblyランタイムやコンパイラなどとするものです。

FastlyはCDNのエッジにあるような規模のデータセンターで実行するのに適した、効率的で軽量かつ特定の言語に依存しないランタイムを目指してLucetの開発を進めてきました。実際にLucetはメモリのオーバーヘッドが数キロバイト程度、WebAssemblyが50マイクロ秒という高速で起動するものだとしています。

今回ベータ公開された「Compute@Edge」は、このLucetを用いたサーバレスコンピューティングの基盤です。

Compute@Edgeではサーバレスコンピューティング基盤として、代表的なWebAPIの1つであるGraphQLのサポート、APIをカスタマイズできるAPIゲートウェイ機能、CDNのマニフェスト操作機能などが追加されています。

サーバレスコンピューティングはAWSやAzure、Google、IBM、Oracleなどパブリッククラウドベンダが提供するサービスだけでなく、GitLabやTwilioのようなサービスベンダも提供を開始しており、さらにCDNベンダのCloudflareも提供を発表、そして今回のFastlyもベータ提供を発表するなど、あらゆるサービスベンダがそれぞれの強みを活かそうとして提供するものになってきています。

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