Eclipse GlassFish 5.1正式版が公開。Eclipseとして最初のGlassFishリリース
Eclipse Foundationは、オラクルからJava EEとともに移管されたJava EEの参照実装「GlassFish」について、移管後初となるリリース「Eclipse GlassFish 5.1」正式版を公開しました。
Eclipse GlassFish 5.1リリースの最大の目的は、その前身であるOracle版GlassFish 5.0を基にEclipse Foundation発のコードとして完全にビルド可能なものにすると同時に、ライセンスもEclipse Foundationによって完備されたものへと移行させることにありました。
(追記 2019/2/1:厳密にはGlassFish 5.0よりもいくつかの機能が少なくなっていると指摘をいただきました。多言語対応モジュールがオプションから完全削除となった点、利用頻度が少ないと判断された中小の機能が削除、JDK 8u182以前がサポートされなくなるなどの違いがあるとのことです)
そのためEclipse GlassFish 5.1は、機能面では基本的にOracle GlassFish 5.0と同一ですが、Eclipse FoundationのGitHubリポジトリでソースコードが公開され、ライセンスもEclipse Public License 2.0+クラスパス例外付きGPLとなりました。
オラクルからは、Eclipse GlassFish 5.1が(Oracle GlassFish 5.0がそうであったように)、Java EE 8コンパチブルであることも示されています。
また、これまでオラクルのプロプライエタリなクローズドコードとして扱われてきたJava EE互換テストのコードも、オープンソースとして公開されました。
Jakarta EEへの移管が完了
エンタープライズ向けアプリケーションのためのJavaフレームワークとして知られている「Java Enterprise Edition」(Java EE)は、2017年9月にその策定主体をオラクルからEclipse Foundationに移管することが発表されていました。
それまでJava EEは開発の遅延がコミュニティから指摘されており、Java EEの開発はコミュニティの手に委ねられた形となったのです。
ただし移管にあたり「Java EE」などのブランド名はオラクルが保有したままであったため、Eclipse FoundationではJava EEに代わる新しいブランド名として2018年3月に「Jakarta EE」を発表します。
そしてEclipse Foundationは、ブランドの変更やライセンスの変更なども含む移管作業をこれまで行ってきたわけです。
Eclipse GlassFish 5.1のリリースでその移行作業が完了したと、プレスリリースで次のように報告されています。
The migration was an enormous engineering and legal challenge. GlassFish and Oracle Java EE API contributions to Jakarta EE are now complete.
この移行は多くの技術的かつ法律的なチャレンジであった。GlassFishとOracle Java EE APIのJakarta EEへのコントリビューションはこれで完了だ。
次のバージョンとなるEclipse GlassFish 5.2では、Jakarta EE 8互換の実装になることが予定されています。
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