国内でDockerコンテナを本番利用しているのは9.2%。コンテナオーケストレーションツールはKubernetesがデファクト。IDC Japanの調査結果
調査会社のIDC Japanは、コンテナインフラストラクチャソフトウェアのDockerコンテナ(以下、コンテナ)とコンテナオーケストレーションツールのKubernetesの導入状況に関する調査結果を発表しました。
調査は2019年4月に国内の企業および組織468社に対してアンケート調査により実施されています。
コンテナを本番環境で使用している企業は9.2%。ただし伸び率は低調
コンテナの導入状況について調査した結果、本番環境で使用している企業は9.2%。2018年調査からの上昇率は1.3ポイントにとどまっています。
導入構築/テスト/検証段階にある企業は16.7%となり、これも2018年調査からわずかな上昇となっています。
この結果を同社は「Dockerコンテナは導入構築やテスト/検証に時間を要し、本番運用になかなか移れていない状況にあると考えられます」と分析し、多くの企業にとってコンテナの本番利用まで時間がかかっていることを指摘。
一方で、「使用を計画、検討している企業と情報収集や調査を行っている企業の割合が2018年調査からやや低下しています。この傾向は導入意向のある企業とそうでない企業がはっきりしてきており、具体的な導入に向けた検討や調査の段階に移ってきていると考えられます」とも指摘しています。
オーケストレーションツールはKubernetesが圧倒
コンテナオーケストレーションツールについて、コンテナを本番環境で使用している企業と導入構築/テスト/検証段階にある企業を対象に調査した結果、同社は「45.5%の企業がKubernetesを使用している」ことを明らかにしています。
ただしKubernetesの次に使われているオーケストレーションツールが「Red Hat OpenShift Container Platform(以下、Red Hat OpenShift)で19.8%」であり、Red Hat OpenShiftでもコンテナオーケストレーションツールとしてKubernetesが採用されているため、少なくとも65%以上がKubernetesを使っていることとなり、同社は「Kubernetesがコンテナオーケストレーションのデファクトスタンダードになっている」としています。
コンテナの導入促進要因は、「インフラの使用効率向上とコスト削減」が34.7%「開発者の生産性の向上」が30.6%、「アプリケーションの信頼性/可用性の向上」(28.1%)、「アプリケーション運用の効率向上とコスト削減」(28.1%)、「アプリケーション開発/リリーススピードの向上」(27.3%)の順となっています。
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