国内DevOpsソフトウェア市場、2018年は24%成長の307億円規模。5年後には640億円超に。 IDC Japanが市場予測
調査会社のIDC Japanは、国内DevOpsソフトウェア市場の予測を発表しました。
同社はDevOpsソフトウェアを「DevOpsを実現するために組織の構造と開発/オペレーションプロセスの両方に体系的な変更を加え、各プロセスの調和を図るために必要となるツール」と定義しています。
発表によると、2018年の国内DevOpsソフトウェア市場規模は前年比成長率24.1%で306億9700万円。
現状として、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略において競争力のあるデジタルビジネスを提供していくためには、DevOpsの実践によるアプリケーションライフサイクルの改善と強化が不可欠であるという認識が高まっているとIDC Japanは指摘。
すでにWebサービスプロバイダーなどではDevOpsソフトウェアを十分に活用しており、モバイルサービス化が進む金融サービス業やIoTサービスの提供を始めている大手製造業においても、DevOpsソフトウェアによるアプリケーションライフサイクルの構築が進められているとのことです。
2023年には2倍以上の641億円超の規模
国内DevOpsソフトウェア市場の2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は15.9%、2023年には2018年の2倍以上となる641億5400万円に達すると同社は予測しています。
特に高い成長を見せるのは、バージョン管理ツールやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツール、テスト自動化ツールなどアプリケーションライフサイクルソフトウェアの分野。
また、モニタリングツールとアプリケーションパフォーマンス管理ツールの分野、DevOpsインフラのデプロイを最適化するインフラ構成管理自動化ツールも高い成長が見込まれています。
IDC Japanソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、企業がDevOpsを導入するうえで自社の組織と文化を見直すことが重要だと次のように指摘しています。
「DevOpsを実践していくことを検討している企業は、DevOpsソフトウェアを導入する前に、まずは自社の組織と文化を見直し、DevOpsサイクルを受け入れられる体制作りが必要である。その後、DevOpsプロセスの構築と共にDevOpsソフトウェアの導入が進められていかなければならない」
この順番を間違えてしまうと、DevOpsソフトウェアによる実践効果は非常に限定的なものになり、経営者はDevOpsの価値を過小評価してしまうことになると警鐘を鳴らしています。
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