DataStaxが新サービス「Constellation」を発表。「Cassandra-as-a-Service」としてNoSQLのCassandraをクラウドサービスで提供
代表的なNoSQLデータベースの1つであるApache Cassandraの開発元であるDataStaxは、クラウドでデータベースサービスを提供する新サービス「Constellation」を発表しました。
Constellationはクラウドネイティブなデータプラットフォームであると説明されており、その第一弾としてNoSQLデータベースをクラウドサービスとして提供する「Cassandrra-as-a-Service」と、データベース管理ツールの「DataStax Insight」が提供されます。
プレスリリースから説明を引用します。
DataStax Apache Cassandra as a Service goes far beyond hosted Apache Cassandra, providing users with a frictionless, cloud-native experience with the resiliency and reliability that customers expect from DataStax.
DataStax Apache Cassandra as a ServiceはホスティングされたApache Cassandraをはるかに超えて、DataStaxに期待される耐障害性と信頼性を備えた、すぐに使えるクラウドネイティブな体験をユーザに提供します。
DataStax Apache Cassandra as a Service simplifies and accelerates everything related to getting a modern application deployed—from provisioning to configuration and automated backups of a Cassandra database, to an integrated development console and customized application drivers. DataStax has optimized every aspect of the database’s operation so that the tuning and configuration one traditionally associates with Cassandra or any other complex, distributed database is automatically handled for the customer.
DataStax Apache Cassandra as a Serviceは、Cassandraデータベースのプロビジョニングや設定、自動バックアップから統合開発コンソールとカスタマイズされたアプリケーションドライバに至るまで、最新のアプリケーションのデプロイに関連するすべてをシンプルで迅速に行います。DataStaxは、データベースの運用におけるあらゆる側面を最適化し、従来Cassandraやその他の複雑な分散データベースに関連付けられていたチューニングと設定は、お客様のために自動的に処理されます。
また同時に提供予定のDataStax Insightはデータベースの管理や運用のためのモニタリングに加えて、発生した問題の解決をAIで支援し、また性能上のボトルネックなどの指摘などを行う機能も備えているとのことです。
GoogleがOSSのマネージドサービス支援を発表したことがきっかけか?
これまでDataStaxは「DataStax Managed Services」として、顧客が自身でクラウドにインストールしたCassandraの運用をリモートで支援するマネージドサービスを提供していましたが、自社でクラウドデータベースサービスは提供していませんでした。
しかし今年4月、Googleが主要なオープンソースベンダとの戦略的提携を発表し、各ベンダのマネージドサービスをGoogle Cloudに統合すると発表したとき、DataStaxの名前がそのなかにありました。
この戦略的提携の背景は、MongoDB、Redis、Confluent、Elasticをはじめとするオープンソースソフトウェアベンダが、大手クラウドに対して表明してきた不満がありました。大手クラウドベンダがオープンソースに対して十分な貢献をしていないのにも関わらず、マネージドサービスとして提供することで大きな売り上げを上げていることに対して多くのオープンソースベンダがクラウドでの利用を制限するようなライセンス変更を相次いで行い始めたのです。
- Redis、MongoDB、Kafkaらが相次いで商用サービスを制限するライセンス変更。AWSなどクラウドベンダによる「オープンソースのいいとこ取り」に反発
- AWSが、Elasticsearchのコードにはプロプライエタリが混在しているとして、OSSだけで構成される「Open Distro for Elasticsearch」を作成し公開
DataStaxはこれまで具体的な不満を表明してはいませんでしたが、Googleによるオープンソースベンダとの戦略的提携のなかに入ったのは、Cassandraがオープンソースソフトウェアの代表的な製品であるからではないかと思われます。
今回の「Constellation」がGoogle Cloudで提供されると発表されていますかどうかはまだ発表されていないためあくまで推測ですが、。ということは、Constellationの提供はこのGoogleとDataStaxとの提携がきっかけになったのではないでしょうか。
Constellationのサービス提供時期は今年後半に予定されています。
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