次世代データベースエンジンの研究基盤を「オーダーメイドホスティングサービス」で提供するデータドック。サーバの部品調達と組み立て動作検証も担当[PR]
独立系のシステムインテグレータとして技術力に定評のあるノーチラス・テクノロジーズは、次世代データベースエンジンの研究を行うため最新サーバ群の調達を模索していました。
コンピュータハードウェアの進化はメニーコアやストレージクラスメモリなどの新しい方向へ進もうとしています。この新しいハードウェア環境に最適化されたデータベースエンジンを国産で開発しようというのが研究の目的です。
その研究基盤とするために調達すべきサーバ群は、最新のXeonプロセッサだけでなくAMDのEPYCプロセッサやARMプロセッサなど複数のプロセッサにわたり、数テラバイトのメモリと10ギガビットイーサネットに加えてInfinibandも搭載し、不揮発性のメインメモリとして使えるOptane DC Persistent Memoryも利用します。
ノーチラス・テクノロジーズは、これらの製品や部品をベンダから調達し、組み立て、動作を検証し、正常に動作させたうえでホスティングサービスとして提供してくれるデータセンター事業者を探していました。
そしてその条件を満たしたのが「データドック」でした。
データドックは2018年1月に新潟県長岡市に最新のデータセンターを開設した、新興のデータセンター事業者です。
なぜデータドックは選ばれたのか?
データドックがノーチラス・テクノロジーズの要求を満たすデータセンター事業者として選ばれた理由は主に2つあります。
1つ目は、要求された複雑な構成を持つ最新サーバ群を調達し、組み立て、検証の上で正常に動作させるシステム構築能力が備わっていたことです。
そもそも今回の要件に合うようなシステムは、既存のクラウドベンダやレンタルサーバなどのメニューではまず提供されていません。そのため、サーバの調達と構築を含めて対応してくれるデータセンター事業者が求められていました。
2つ目は、データドックの長岡データセンターが、ラックあたりの最大提供電力は30kVA、床耐荷重も一平方メートルあたり3.0トンと、メニーコアのプロセッサを搭載した高性能なサーバを高密度にマウントしても問題ない電源容量や床強度などを備えた最新のデータセンターであった、ということです。
冷却能力もホットアイルとコールドアイルを分離した最新の方式に加え、寒冷地特有の気候を活用した雪氷冷却も採用して低コストな運用を実現。100Gbpsのバックボーンで東京のインターネット回線に直結しているため、安定した高速な通信が可能になっています。
メニーコアのプロセッサや大量のメモリを搭載した高密度なサーバをホスティングするには、データセンターのファシリティもそれに見合う必要があったわけです。
システム構成やデバイスドライバのレベルで動作検証
データドックで今回のシステム構築を担当した同社執行役員 技術本部長 岡本洋一氏は、サーバ群を検証していく作業の途中でサーバベンダやOSベンダも把握していなかった多くの問題を解決しなくてはならなかったと振り返ります。
「サーバに大量のメモリを搭載した場合、OSによっては認識しなかったり、10ギガビットイーサネットのNICを立ち上げるとInfinibandのホストアダプタが立ち上がらなくて、壊れたのかと思って順番を入れ替えると正常に認識するとか。1枚目のNICは認識するけれども2枚目は認識しないとか。
あるいは動作するけれども性能が出ないのでデバイスドライバやOSを変更して検証する、といったこともしました。
また、ベンダ側では『サポートしています』という周辺機器でも、今回のような特殊な構成ではうまく動作しないことがあって、ログをとってベンダに送ってみると結局『不具合でした』といわれることもありました」(岡本氏)
こうしたシステムの組み立てと検証作業は長岡データセンターのキッティングルームで行われたと岡本氏。
「弊社の技術陣も新潟にいるので、作業は新潟の長岡データセンターで行いました。データセンターにはこうした作業専用のキッティングルームがあって、電源やネットワークなども用意されて作業しやすいような構造になっています。
機材が到着すると外気で冷えているのでそこで一日おいて、その後に構築と検証作業をして、動くようになったらエイジングを2日間やって、そのあとに本番環境用のラックへ持って行きました」(岡本氏)
データドック自身がお客様にホスティングサービスとして提供するシステム構築と検証を行うのはなぜでしょうか。
岡本氏は「そうしないと本番運用に入ったときに保守できないから」と説明します。
こうしてデータセンター事業者であるデータドックがシステムを構築し、検証し、ホスティングサービスとして提供してくれる利点を、依頼したノーチラス・テクノロジーズのCTO 埋金進一氏は次のように語ります。
「私もホスティングサービスを作る側の立場を経験したことがありますので、こうした作業がどれだけ面倒で手間がかかるか、分かっています。
今回のシステムについても、そもそも調達できるのかどうかや実現できるのかといったところから岡本さんに相談をしつつ、進めてきたところもあります。
問題の調査や情報収集、さまざまなベンダとのコミュニケーションは簡単ではありません。今回は納期が短かった中で実現してもらい、本当に手間をおかけしました。
そのおかげで、ふつうにログインしてサーバが使えるという、当たり前の環境が実現できています」(埋金氏)
メニューにないサービス提供は異論反論も
今回のような案件はもともとデータドックのサービスメニューにはありません。そのため、これを受けるかどうか社内には議論があったと、同社の営業を統括する同社執行役員 営業本部長 竹之内憲氏は率直に語ります。
「私たちは後発の事業者ですので、競合他社とおなじことをやっていては生き残れません。昨年の1月に最初のデータセンターを稼働させた頃、今回のような案件はこれまでほとんどありませんでしたし、サービスメニューにもありませんでしたから、社内でも異論反論はありました。
それでも、案件的に大きな規模であったことや、ノーチラス・テクノロジーズさんとは以前からお付き合いがあったことなどから前向きに対応することにしたのです。」(竹之内氏)
今後もこうした案件はそれぞれ個別に判断することになると竹之内氏。
しかし今回の案件を実現したことで、データセンター事業者としての同社の付加価値のひとつが明確になったといえます。
ノーチラス・テクノロジーズに提供するシステムにはまだ続きがあります。不揮発性メインメモリであるOptane DC Persisntent Memoryはこれから一般販売が予定されているのです。
データドックでもこれを入手次第、文字通り最新のサーバとして構築、検証し、ノーチラス・テクノロジーズ向けに提供します。それらサーバ群はこの先しばらく、国産の次世代データベースエンジンの研究基盤として活躍してくれることになるはずです。
≫株式会社データドック|ホスティングサービスについて
≫株式会社データドック|ビッグデータ時代に最適なデータセンター
(本記事はデータドック提供のタイアップ記事です)
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