Chrome 78ベータに「Native File System API」搭載。Webブラウザからローカルファイルを読み書き可能に
GoogleはWebブラウザのChrome 78ベータ版で「Native File System API」を試験的機能(Origin Trial)として搭載したことを明らかにしました。
Native File System APIはWeb Platform Incubator Community Groupが策定中のAPIで、Webアプリケーションからローカルファイルを開き、読み書きを行える機能です。
「The Native File System API: Simplifying access to local files」から引用します。
The Native File System API enables developers to build powerful web apps that interact with files on the user's local device, like IDEs, photo and video editors, text editors, and more. After a user grants a web app access, this API allows web apps to read or save changes directly to files and folders on the user's device.
Native File System APIはローカルデバイスのファイルを操作できるため、IDE、画像や動画のエディタ、テキストエディタといった、パワフルなWebアプリケーションが実現できます。ユーザーがWebアプリケーションに許可することで、APIがWebアプリケーションにユーザーのデバイス上にあるファイルやフォルダの読み込みや直接の書き込み、更新ができます。
下記は「Chrome 78 Beta: a new Houdini API, native file system access and more」で紹介されている、Macでダイアログボックスを開いたところの画像です。
Native File System APIは「Origin Trials」として利用可能です。Origin Trialsとは、あらかじめその機能を使うことを登録した開発者にのみ、機能を解放する仕組み。一定期間が過ぎると自動的にその機能は使えなくなります。
例えば今回のOrigin Trialsでは、登録後の期限が2020年3月11日までに設定されています。
かつてWebブラウザでの試験的な機能の実装は、ベンダプレフィクスを用いることで利用可能にしていました。しかしその機能がやがて標準となり正式版として実装されても、ベンダプレフィックスによるベンダ依存の表記がいつまでもWebアプリケーションなどに残り続けてしまうという負の側面がベンダプレフィクスにはありました。
Origin Trialsはこれを反省し、利用に期限を設けることで実験的機能に依存した表記や実装がいつまでも残り続けしないようにしたものです。
参考
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