AWSがApache Software Foundationの最上位スポンサーである「プラチナスポンサー」に
Amazon Web Services(以下、AWS)は、Apache Software Foundationのプラチナスポンサーになったことを明らかにしました(Apache Software Foundationの発表、AWSの発表)。
We're pleased to add to our support of The Apache Software Foundation as a Platinum sponsor. @zahedab shares more about our contributions & participation in the ASF in this post. https://t.co/QYWkATQiKd pic.twitter.com/YhOWi1kc6U
— AWS Open Source (@AWSOpen) 2019年1月31日
AWSはこれまでずっと、オープンソースの推進団体や標準化団体などへの加盟や支援に消極的に見られています。
目立った活動としては、2015年にコンテナ標準化団体の「Open Container Initiative」の発足から参加したこと、そして2017年の8月にKubernetesなどの開発をホストする「Cloud Native Computing Foundation」にプラチナスポンサーとして加盟したことが挙げられる程度です。
この2つの団体は、現在のクラウドサービスを開発する上で決定的に重要となっているコンテナ関連の標準化と実装において重要な役割を果たしている団体です。AWSとしても重視したのでしょう。
Apache Software Foundationは、オープンソースの開発をホストする団体として長い歴史と規模を持つ、オープンソース開発のシンボル的存在です。非営利団体としてスポンサーからの資金で運営されています。
そのApache Software Foundationに対してAWSは過去2年間、「ターゲテッドスポンサー(Targeted Sponsor)」としての貢献を行ってきました。Targeted Sponsorとは特定の領域に限られたスポンサーのことで、具体的にはApache Software Foundationのインフラチームに対して年間2万5000ドル(1ドル110円換算で275万円)相当のAWSクラウド利用権を提供していたのです。
一方、今回発表されたプラチナスポンサーは、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、ターゲテッドと5種類あるスポンサーレベルの最上位に位置し、年間12万5000ドル(1ドル110円換算で1375万円)を拠出することになっています。
スポンサーとしては一番下のレベルのターゲテッドスポンサーから最高レベルとなるプラチナスポンサーへの変更は、もしかしたら同社のオープンソース団体に対する姿勢の変化を示しているのかもしれません。
最近、AWSをはじめとする大手クラウドベンダは、オープンソースを用いたサービスで大きく儲けているのに大して貢献していないと、RedisやMongoDB、Kafkaなどから非難されています。そうしたことが背景にある可能性も考えられます。
プラチナスポンサーには現在、マイクロソフト、Facebook、Google、Cloundera、Tencent Cloud、Comcastなどをはじめとする9社にAWSを加えた10社が名前を連ねています。
ちなみにマイクロソフトが初めてApache Foundationのプラチナスポンサーになったのは2008年7月。スティーブ・バルマー氏がCEOを務めていた時代でした。
あわせて読みたい
Google、コンテナイメージへのビルドをより高速にする機能を「Cloud Build」に搭載。Kanikoを採用
≪前の記事
AWS、Azure、Googleがクラウドインフラ市場で下位との差をさらに広げる。ただしアリババは例外。2018年第4四半期、Synergy Research Group