Arcserveがバックアップのクラウドサービスを開始。バックアップサーバなしでも利用可能
バックアップツールなどを提供するArcserve Japanは、国内向けにバックアップのクラウドサービス「Arcserve UDP Cloud Hybrid」「Arcserve UDP Cloud Direct」の2つのサービスの提供開始を発表しました。
Arcserveはバックアップツールとして長い歴史を持つ製品ブランドです。現在の日本法人は2014年にCAからの独立という形で設立されました。
同社社長 江黒研太郎氏は今回のクラウドサービスの発表について「このようなサービスを日本で展開するのははじめてであり、大きな節目と感じている」と話します。
バックアップサーバのデータをクラウドに複製
Arcserve UDP Cloud Hybridは、Arcserve UDPソフトウェアもしくはArcserve UDP Applianceによって顧客のオフィスやデータセンター内で稼働しているバックアップサーバの内容をクラウドへ複製することで、災害時などでもデータを保護するためのサービスです。
万が一、顧客のバックアップサーバのデータが失われた場合にクラウドからリストアできるだけでなく、複製したデータからクラウド内で仮想マシンを起動することで業務継続を支援する代替VM機能も提供(後述の東日本リージョンのみ)。
また、複製されたデータがリストア可能かどうかを自動でチェックする機能も備えています。
複製先のクラウドは、東京都多摩地区にある東日本リージョンもしくは大阪府大阪市にある西日本リージョンのいずれかが選択可能。データ転送時にはSSLで暗号化し、保存時にはAES 256で暗号化されるとしています。
データ転送は初回のみフルバックアップ、それ以後は増分データのみ重複排除と帯域制御機能で効率化。
バックアップサーバなしでも利用可能
Arcserve UDP Cloud Directは、オンプレミスにバックアップサーバを置く必要がなく、エージェントソフトをインストールしたPCやサーバのデータを直接クラウドへバックアップするサービス。
バックアップ済みのファイルは過去の世代からブラウザで簡単にダウンロード可能。システムのイメージバックアップデータはイメージファイル形式でダウンロードし、仮想マシンとして実行、復旧可能です。
またArcserve UDP Cloud Hybridと同様に、クラウド上で代替VMを起動することも可能。
Arcserve UDP Cloud Directは北米サンタクララにあるデータセンターにデータが保存され、そこからさらに別のデータセンターにも自動的に複製されて保護される仕組みになっています。
年間契約によるシンプルな価格体系
Arcserve UDP Cloud Hybridは、東日本リージョンを利用する場合、1年あたり最初の1TBが19万2000円(税別)から。西日本リージョンを利用する場合、1年あたり4TBで81万6000円から。
Arcserve UDP Cloud Directは、北米西海岸リージョンのみ対応で、最初の1TBが年額36万円から。
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