最大32コアのAMD EPYCプロセッサを搭載、コストパフォーマンスを高めたハイパーコンバージドインフラ「HPE SimpliVity 325 Gen 10」、HPEが発表
ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)は、ハイパーコンバージドインフラストラクチャの新製品としてAMD EPYCプロセッサを搭載したエントロークラスの「HPE SimpliVity 325 Gen 10」を発表しました。
ハイパーコンバージドインフラは、内臓ストレージを備えたサーバをクラスタ化することで、スケーラブルなサーバとストレージを実現するシステムです。SimplivityはFPGAを用いてリアルタイムに重複排除を行うことで、効率的かつ高速な仮想ストレージ機能などを提供することが大きな特徴です。
今回発表された「HPE SimpliVity 325 Gen 10」は、SimpliVity製品群としてはじめてAMD EPYCプロセッサを採用。コストパフォーマンスの高いAMDのプロセッサを採用したことに加えて、従来のモデルではFPGAで行っていた重複排除の機能をソフトウェアで実装しFPGAを省略したことなどで、同スペックの従来製品と比較して安価な価格に設定されています。
重複排除機能はソフトウェアで実装されているとはいえ、重複排除率、圧縮率、バックアップ速度などは従来品と同等と説明されています。
さらに1ソケットあたり最大32コアが利用可能なため、ハイパーバイザなどプロセッサのソケット単位で課金されるソフトウェアライセンスのコストを低減を可能にする利点もあります。
HPE SimpliVity 325 Gen 10は、内臓ストレージが5TBと7.5TBの2モデル。最小構成価格は411万6000円から。1台がハイパーコンバージドインフラの1ノードとして機能し、2ノードから構成可能になります。
HPEはあわせて、25TBから50TBのストレージを搭載し、バックアップ専用のノードとして1台から利用可能な「HPE SimpliVity 380 Gen 10 Backup and Arhive node」と、機械学習を備えたクラウドを通じてSimpliVityのシステムを監視できる「HPE InfoSight for HPE SimpliVity」も発表しました。
クラスタ内でインテルとAMDが混在できない点が悩ましい
これまでハイパーコンバージドインフラのサーバはインテル製プロセッサの独壇場でしたが、AMDがコストパフォーマンスに優れるEPYCプロセッサをリリースしたことで、今後はAMDプロセッサ採用のハイパーコンバージドインフラ製品も広がりを見せてくるとみられます。
このとき課題となるのが、クラスタ内ではインテルプロセッサのノードとAMDプロセッサのノードを混在させることはできない、という点です。
ハイパーコンバージドインフラは、サーバを追加することでコンピュートもストレージもスケーラブルに拡張できることが大きな利点です。しかしインテル製プロセッサのノードで構成したクラスタにAMDプロセッサのノードを追加してスケールさせることはできません。
そのため導入時に、実績のあるインテルプロセッサか、コストパフォーマンスに優れるAMDかいずれかを選ぶことが、将来の追加ノードの種類についての制約も決定してしまいます。これは購入を検討している企業にとって悩ましいところでしょう。
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