「WebDriver」がW3Cの勧告に到達。Webブラウザのテスト自動化などを実現
Web技術の標準を策定するWorld Wide Web Consortium(W3C)のBrowser Testing and Toolsワーキンググループは、「WebDriver」が6月5日付けで勧告に到達したことを発表しました。
WebDriverは、Webブラウザを外部から操作することを可能にし、Webアプリケーションのテストなどの自動化を実現する技術です。
主要なWebブラウザにはすでにこのWebDriverの機能が用意されています。Seleniumに代表されるWebブラウザ自動化ライブラリを利用することで、WebDriverを用いてWebアプリケーションのUIテストなどを自動化することが可能です。
SeleniumからW3Cへ
もともとWebブラウザには外部から操作を行うAPIなどはなく、WebページやWebアプリケーションをWebブラウザで表示した際に画面が正常に表示されているか、特定の操作をしたときに予想されたとおりの画面で結果が表示されるか、といったユーザーインターフェイス関連のテストは、人間が実際にWebブラウザを操作をして、結果を目で確認するしかありませんでした。
こうしたWebブラウザでのテストを自動化しようと開発されたのがWebブラウザの自動化ライブラリである「Selenium」です。
そしてSeleniumがWebブラウザを操作するために開発したWebDriverがのちに標準技術としてW3Cに取り入れられます。これにより、それまでSelenium側が開発し実装していたWebDriverは、Webブラウザの標準機能としてWebブラウザベンダ側が実装するものとなりました。
いまや一定以上の規模のWebアプリケーション開発では、継続的統合の一部として自動テストを行うことが一般的になっています。WebDriverの勧告化は、そうした状況が成熟してきたことを示す一例と言えるのではないでしょうか。
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