W3C、「WebAssembly」仕様について初めてのワーキングドラフトを公開
W3CのWebAssemblyワーキンググループは、「WebAssembly」仕様に関する初めてのワーキングドラフトを公開した。WebAssemblyはすでに主要なブラウザで実装が進んでいるため、このまま順調に勧告となるのではないか。
マイクロソフト、Google、Mozilla、Appleなどの主要なWebブラウザベンダが協力して、Webブラウザ上でネイティブコードに近い実行速度で高速に実行できるバイナリフォーマット「WebAssembly」の開発に取り組んでいます。
すでに実装の面では、昨年2017年11月の時点でChrome、Firefox、Safari、Edgeの主要なWebブラウザでのWebAssembly対応が揃っていますが、同時にW3CにおいてWebAssemblyの標準化作業が進められています。
そのW3Cから、WebAssembly仕様について初めてのワーキングドラフトが公開されました。
W3Cから公開された仕様は以下の3つで構成されています。
WebAssembly Core Specification
WebAssembly自体の仕様について
WebAssembly JavaScript Interface
JavaScriptとのインターフェイスについての仕様
WebAssembly Web API
WebAssemblyとほかのWebプラットフォームとの連係についての仕様
WebAssemblyコミュニティグループからワーキンググループへ
WebAssemblyはもともと2015年に「WebAssembly Community Group」と呼ばれる、主要なWebブラウザの開発チームなどがコミュニティを形成して仕様を議論し始め、2017年2月にはバイナリフォーマットやAPIなどの基本仕様が合意に達しリファレンスインタープリタも作成されます。
そこから各Webブラウザが実装を開始し、前述のように2017年11月には主要ブラウザでの実装がスタート。
同時にW3CのWebAssemblyワーキンググループの立ち上げとW3Cでの標準化の作業を開始。今回、そのWebAssemblyワーキンググループとして最初のワーキングドラフト公開となりました。
前述のようにWebAssemblyはすでに主要なWebブラウザで実装が進んでいるため、おそらくこのまま順調にW3Cの勧告へと進んでいくのではないでしょうか。
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