VMware、Kubernetesのコンサルティングやトレーニングなどを提供する「Heptio」買収を発表。Kubernetesへの取り組みを強化
VMwareは仮想化ハイパーバイザを提供する企業として大きく飛躍しました。そして仮想化ハイパーバイザよりも軽量なコンテナ型仮想化が登場してからは、仮想マシンとコンテナ環境を統合した「vSphere Integrated Containers」や、コンテナ専用プラットフォームの「「Photon Platform」」などを発表し、積極的にコンテナへ取り組む姿勢も見せてきました。
そして同社は、現在スペインのバルセロナで開催中のイベント「VMworld 2018 Europe」の基調講演において、Kubernetesのコンサルティングやトレーニングなどを提供する「Heptio」の買収を発表し、コンテナオーケストレーションツールであるKubernetesへも強くコミットすることを明らかにしました。
Breaking news! Heptio to join forces with @VMware to advance our cloud native mission. After close, our combined products and community contributions will be amplified. Read the formal announcement https://t.co/lJG3MpTNVp pic.twitter.com/OAem9WySLj
— Heptio (@heptio) 2018年11月6日
8月に行われたVMworld 2018 USでパット・ゲルシンガーCEOは、「VMware is the Dial Tone for Kubernetes」(VMwareはKubernetesのダイヤルトーンである)と強調しました。
ダイヤルトーンとは、電話の受話器をあげると聞こえてくる「ツー」という音のことです。この音がしているということは電話が通じているということであり、ダイヤルトーンが聞こえているときにはいつでも電話番号をプッシュすることで電話を掛けることができます(携帯電話の普及で、最近はダイヤルトーンを聞く機会は減ってきました)。
つまりゲルシンガー氏の言う「VMware is the Dial Tone for Kubernetes」とは、VMware環境ではつねにKubernetesが利用可能である、ということを意味します。
このときゲルシンガー氏が示したVMware上のKubernetesが、同社のグループ企業であるPivotalの「Pivotal Container Service」(PKS)です。
今回の「VMworld 2018 Europe」でもゲルシンガー氏は「VMwareの戦略はエンタープライズにおいてKubernetesのダイヤルトーンになることだ」と、この言葉を繰り返しました。
そして発表されたのが、Heptioの買収です。
Heptioは、Kubernetesを開発した3人のエンジニアのうちの2人、元GoogleのCraig McLuckie氏とJoe Beda氏が創業した企業です。
Kubernetesに関する豊富な知識や経験などを活かしてコンサルティングやトレーニングなどのプロフェッショナルサービスを提供することで、Kuberenetesの導入や運用を支援しています。
Heptioの買収によって、VMwareはKubernetesを提供するソフトウェアベンダとしての地位を大きく前進させたことは間違いないでしょう。
Welcome to the VMware family @heptio! Sharing a common mission of delivering 'dial tone' #Kubernetes through simplification https://t.co/h9TxrsOMMJ #VMworld pic.twitter.com/hdZF5P9dht
— VMware (@VMware) 2018年11月6日
VMworld 2018 Europe
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