マーク・ベニオフ氏が米Time誌を1億9000万ドルで買収。一方、ジェフ・ベゾス氏は貧困層支援の基金を20億ドルで立ち上げ
セールスフォース・ドットコムの創業者でCEOのマーク・ベニオフ氏は、夫妻名義で米Time誌を買収することを明らかにしました。買収価格は1億9000万ドル(1ドル110円換算で209億円)。
The power of Time has always been in its unique storytelling of the people & issues that affect us all & connect us all. A treasure trove of our history & culture. We have deep respect for their organization & honored to be stewards of this iconic brand. https://t.co/TsbcXhO1OU
— Marc Benioff (@Benioff) 2018年9月16日
Time誌を所有していたMeredithも9月16日付けでプレスリリース「Meredith Corporation To Sell TIME Media Brand To Marc And Lynne Benioff」を発表しています。
プレスリリースによるとこの買収はベニオフ夫妻による個人的なもので、セールスフォース・ドットコムのビジネスとは無関係であるとし、Time誌の日々の運営に口出しをしないと表明されています。プレスリリースの一部を引用します。
The Benioffs are purchasing TIME personally and the transaction is unrelated to Salesforce.com, where Mr. Benioff is Chairman, co-CEO and founder. Mr. and Mrs. Benioff will not be involved in the day-to-day operations or journalistic decisions, which will continue to be led by TIME's current executive leadership team.
ベニオフ夫妻のTime誌の買収は個人的なものであり、この取引はベニオフ氏が会長兼共同CEOで創業者であるセールスフォース・ドットコムとは無関係である。ベニオフ夫妻はTime誌の日々の業務やジャーナリズムに関する判断には介入せず、引き続きTime誌の現在の経営チームに任される。
ベニオフ氏は今回の買収を、Time誌の可能性に非常に興味があったとしたうえで、すでに約200社への投資を行っており今回の買収もその一環だと、米ニューヨークタイムス誌のインタビューに答えています。
テクノロジー企業の創業者がメディアを買収する事例といえば、2013年に米Amazon.comのCEOであるジェフ・ベゾス氏が米ワシントンポストを2億5000万ドル買収したことが思い出されます。
そのベゾス氏は、貧困層を支援する基金「Bezos Day One基金」を発表しました。
ベゾス氏、貧困層を支援する基金を発表
米Amazon.comの創業者でCEOであるジェフ・ベゾス氏は9月14日、貧困層を支援するための基金「Bezos Day One基金」を20億ドル(1ドル110円換算で2200億円)で設立したと発表しました。
— Jeff Bezos (@JeffBezos) 2018年9月13日
Bazos Day One基金は、「Day 1 Families基金」と「Day 1 Academies基金」に分かれ、前者は支援を必要としている若い家族向けにシェルターや食事を提供している既存の市民グループを支援し、後者は支援が十分でない地域向けに教育支援を行うとしています。
ベゾス氏率いるAmazon.comは、しばしば低賃金労働者を倉庫で働かせているのではないかといった非難にさらされます。先週はWierdに「アマゾンの高収益は「公的支援」が支える? 税優遇をフル活用、倉庫従業員は生活保護という実情|WIRED.jp」という記事が掲載されたばかりです。
英ガーディアン誌には基金発表を受けて「If Jeff Bezos wants to help low-income people why not just pay them better?」(もしジェフ・ベゾスが低収入な人たちを支援したいのなら、なぜもっと給与を上げないの?)というコラムも掲載されました。
ベゾス氏と基金にとってこうした評判をどう受け止め、今後の活動に反映していくことになるのか。良くも悪くも、多くの人たちが見つめていることは間違いありません。
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