TerraformやVaultなどHashiCorp主要製品のアップデートが相次ぎ発表。HashiConf'18
クラウドインフラやマイクロサービスに対応したツールを提供しているHashiCorpは、サンフランシスコで年次イベント「HashiConf'18」を開催しています。
10月23日(日本時間10月24日未明)に行われた基調講演では、同社の主要ツール群のアップデートなどが発表されました。内容をダイジェストで紹介しましょう。
機密データベースのVaultが1.0に
HashiCorp創業者兼CTOのArmon Dadgar氏。
HashiCorpのユーザーグループが38カ国74都市、15000人に広がっていることなどを紹介。
同社の製品について入門から使い方、詳しい内容、ユースケースなどを無料で学べる「Learn Education Platform」を発表。
ここから製品について。シークレットトークン、センシティブデータなど機密情報を管理するための「Vault」がバージョン1.0に到達。現在プレビュー段階に。
バージョン1.0では、暗号化した情報を読み出せるようにするUnsealを自動的に行う機能が、主要なクラウド対応の「Auto Unseal」として登場。
サーバレスの関数やバッチ処理のような短期間だけ使われるトークンなどへも対応。
高速なレプリケーション、オープンAPIなども実現されます。
Vault Advisorを開発中
現在、Vault Advisorを開発中であることも発表されました。
Vault Advisorは複雑で膨大な選択肢が存在するセキュリティポリシーの内容をアドバイスしてくれるというもの。
実際に設定されているセキュリティポリシーと現実に起きている事象を比較し、それらの情報を基に最適なセキュリティポリシーを求める仕組みを実装しようというもの。
サービスメッシュを実現するConsul 1.4が登場
続いて同社創業者兼Co-CTOのミッチェル・ハシモト氏が登場。
サービスメッシュの機能を提供するConsul 1.4を発表。
サービスメッシュとは、マイクロサービスを構成するサービス群に対して、サービスのディスカバリやコンフィグレーション、セグメンテーションなどの機能を提供するもの。それぞれのサービスのネットワークプロキシとして組み込まれ、機能を提供します。
Consul 1.4では、Envoyとの統合度の向上、ACL(アクセス制御リスト)の改善、マルチデータセンター対応などの新機能が予定されています。
Terraform 0.12発表
複数のクラウドインフラを抽象化し、コードによってクラウドインフラの構成や状態を記述できるツールTerraformの発表を担当するのは、Terraform担当ディレクターのPaul Hinze氏。
Terraform 0.12アルファ版の登場を発表。
Terraform 0.12では記述言語が強化され、エンタープライズ版の機能だったリモートステートマネジメント機能がオープンソース版にも搭載されるなどの強化が図られます。
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