SUSEがマイクロフォーカスから投資会社のEQTに売却へ。しかし今後もopenSUSEへのコミットメントは変わらないとCEOがコミュニティに保証
老舗のLinuxディストリビューション企業として知られるSUSEは、現在の親会社であるマイクロフォーカスから投資会社であるEQTに売却されることを発表しました。
SUSEは1992年にドイツで設立され、企業向けのLinuxディストリビューションなどを販売。同社のSUSE Linux Enterprise Serverなどのソフトウェアは、欧州を中心に人気のある製品でした。
しかし企業としてのSUSEはここ20年で何度も親会社が変わっています。最初の買収は、2004年にノベルによるものでした。ノベル傘下で同社は2006年にマイクロソフトと提携、2010年にはVMwareとも提携を発表します。
2011年に、同社はノベルからアタッチメントグループに売却されますが、3年後の2014年にはそのアタッチメントグループをマイクロフォーカスが買収。マイクロフォーカス傘下となります。
そして今回、マイクロフォーカスからEQTに売却されることが発表されました。売却は規制当局の承認を経て、2019年前半には完了予定です。
EQTによる買収後も、SUSEは引き続き独立した企業として運営を継続していくとのことです。
SUSE CEOはすぐさまopenSUSEの変わらない支援を約束
この発表と同日の7月2日、オープンソースプロジェクトであるopenSUSEのメーリングリストには、openSUSEのチェアマン Richard Brown氏が、SUSEのCEO Nils Brauckmann氏から買収について説明を受けたこと、そしてopenSUSEへのコミットメントが継続することを確認した旨のメッセージを投稿しています。
Nils Brauckmann (CEO of SUSE) personally called me this morning to assure me this news will have no negative impacts on openSUSE.
SUSEのCEO Nils Brauckmann氏が今朝、個人的に電話をくれ、本件がopenSUSEにとってネガティブになる要素は何もないということを保証してくれた。
This will be the third acquisition of SUSE since the creation of openSUSE, the second under the leadership of Nils and his team. Just as happened in that case, SUSE will be making no changes in its relationship between the company and the openSUSE Project.
これはopenSUSE設立以来、SUSEにとって3度目の買収であり、Nilsと彼のチームの下では2度目のことだ。この出来事があっても、SUSEにとってSUSEとopenSUSEプロジェクトとの関係は変わらない。
SUSE remains committed to supporting the openSUSE community, who play a key role in helping SUSEs success, which is expected to continue under their new partnership with EQT.
SUSEは引き続きopenSUSEコミュニティを支援することを約束し、SUSEの成功に向けた重要な役割を果たすことは、EQTの下でも引き続き行っていくとのことだ。
いちはやくコミュニティと企業が連絡をとりあることは、両者の関係がうまくいっていることを示しています。この関係が約束通り、今後も続くことを希望します。
あわせて読みたい
ソラコム、SIM認証をベースにデバイスへ秘密鍵や証明書の組み込みを自動化する新サービス「SORACOM Krypton」発表
≪前の記事
Kubernetes 1.11が正式リリース。より軽量なIPVSロードバランシング採用、KubeDNSからCoreDNSへ、Kubeletの動的コンフィグレーションなど